第3話 それぞれの個性

  ネコにも「賢い子」と「そうでない子」がいますよね。

 うちの子たち、前の子は「賢い子」だったと思います。

 で、前の子に比べると、今の子はちょっとあれな感じがしています。「でもこれが普通!」と思いたいレベルであれです。


 前の子はですねー、呼べば「ぅにゃっ」と返事をして近づいてくれたし、ドアを開けられたんです。

 開けられたくないドアにはストッパーをかけることになりましたが、そのストッパーも外せるようになり、最終的には人間のように片手でドアを開けるようになりました。


 だけど今の子は別の部屋に行きたいときには、「ドアあけてー、ねー、あけてー」と騒ぐだけです。

 わたしのあとをついてきてて、知らないうちに部屋に閉じ込めてしまったとき、前の子は自分でドアを開けて出てきてくれましたが、今の子は「出してー」と騒いでくれればまだマシですけど、「いないっ!」と思って名前を呼んでも返事はないし、やっと見つけたらドアが閉まった洗面所の洗濯カゴで、洗濯物に埋もれて寝ていたりします。


 前の子と今の子。同じロシアンブルーなので見た目は似てるんですけど、性格はぜんぜん違います。なんというか、「優等生」と「一般生徒」という感じです。

 初めて飼った子が「優等生」だったからか、


「ネコって思ったより賢いんだなー。なんとなく言葉も通じてるし」


 と思っていましたが、そうでもないんですね。

 今の子は、まったく言葉が通じている気がしません。「でもそれが普通」なんですよね。

 ですが今の子もにも賢いところがありまして、なんと「目覚ましが鳴る前に起こしてくれる」んです。

 というか、起こされるんです……よ?


「朝だにゃ! おなかすいたにゃっ」


 と訴えるんです。


「うぅ〜……まだ、早い……よ」


「いいから起きてごはんよこすにゃっ! ごはんだにゃっ」


「だから、まだだって……」


 これがほぼ毎日です。

 朝ご飯の時間は決まってます。夜明けがご飯の時間ではありません。

 無視すると顔の上を歩かれますが、それはもう慣れたよ! そんなことで起きないよ! 目覚ましが鳴るまで、顔の上をいったりきたりしてればいいよ! じゃあ、あと20分寝るから! おやすみ!


「う〜なあぁ〜(お〜き〜ろ〜)」

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