第2話 戌の正体と本当の敵
美奈「··········あ?私を噛み殺すだと?···············フン、やれるものならやってみろ···········私の存在を気がつくこともできなかったこの駄目戌が!!」
『貴様····················まさか····················人間じゃないのか!····················まさか、人間の中に入って喋ってるなんてな····················』
美奈「今頃気がついたか···············駄目戌···············残念だよ····················」
焚翔「美奈さん?···············ど、どうしたんですか?急に···············」
戎真「···············おい焚翔、なんかおかしいぞ、この先輩····················」
戎真が言う通り、急に美奈さんの様子が変わっていた。
まるで、なにかに取り憑かれてしまったかのように。
美奈「あぁ···············というかもう、この女になりすますのも、本当にめんどくさいな···············やめてしまおうか····················うん、やめよう」
戎真「どういうことだよ!!なりすますって!!」
日向「美奈··········先輩?」
焚翔『···············明らかに、美奈さんの様子がおかしいと思っていたが···············まさか··········』
俺がそんなことを考えていたその時だった。
美奈「貴様に特別に俺の名を教えてやろう···············我が名は《戌の神》〈クラシスタ〉だ」
焚翔「お前まさか、ここに封印されているヤツらの仲間なのか?」
美奈〈クラシスタ〉「正解だ、人間!·················あ、いや、少し外れているな」
焚翔「は?どういうことだよ」
美奈〈クラシスタ〉「正確には、2つ間違っているな」
戎真「何が間違ってるんだよ」
焚翔「····················」
美奈〈クラシスタ〉「1つ目は、そこにいる戌は仲間では無い、そいつは裏切り者だ」
焚翔「···············それは後で聞くとして、··········もう1つはなんだ」
美奈〈クラシスタ〉「もう1つは、仲間はここだけでは無い、少なくともあと2つは封印が解かれた。本当はそっちも、俺が封印を解こうとしていたんだがな、アホな人間が肝試し感覚で神社に入り、封印石を壊してくれたからな、余計な手間が省けて助かったよ」
焚翔「···············お前は、いや、お前らは何者なんだ··········そして、何が目的なんだ」
美奈〈クラシスタ〉「我々は、《
焚翔「··········擬似神?」
俺が聞き返そうとした時だった。
『待て···············擬似神は本来、喋ることが出来ないはずだ···············なぜ貴様は喋れるのだ···············』
美奈〈クラシスタ〉「簡単なことさ、貴様が裏切ったからお前の代わりに俺が選ばれたのだよ」
焚翔「···············選ばれた?」
美奈〈クラシスタ〉「あぁ、俺は選ばれたのさ!···············あぁー···············それと戌の神、貴様はもう《戌の神》ではない···············ただの《狗の神》だ」
『···············フン、そうか···············俺は成り下がったというわけか···············ただの狗に···············』
美奈〈クラシスタ〉「あぁ···············その通りだよ、《狗の神》」
焚翔「まてよ!まだ目的を聞いていない!」
美奈〈クラシスタ〉「···············あぁー、そうだな···············俺のために貢献してくれた礼として教えやろう···············あいつらの目的は···············『神の審判』だ」
焚翔「···············あ?神の審判?なんだよそれ。それに今、お前はあいつらの目的はって言ったか?ならば、お前の目的は違うのか?」
美奈〈クラシスタ〉「···············そこまで貴様に教えてやる義理はない、じゃあな、人間、また会おう」
そして、美奈さん····················いや、クラシスタは消えてしまったのだった。
焚翔「くそ!!俺はなんてことを···············」
『おい、人間』
焚翔「あ?なんだよ、俺を殺すのか?それとも、償えと言うのか?」
『···············あぁ、その通りだ、殺してやる···············と言いたいところだが、貴様には何かに守られているからな、だがら、償え···············人間』
焚翔「償いか···············ならば、手伝わせてくれ、これは俺が疑いもせずあいつを信じてしまったことが原因だ、俺も解かれてしまったものを封印するのを手伝いたい」
『····················そうか、よかろう』
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