ショートショート 人間階級(ランク)
@kokoroyomi
第1話
男は幸せだった。
この国には、ランクがある。ランクは金、銀、銅、の三種類だ。ランクに規則性は無い。生まれた瞬間、機械が決める。ランクが高い者同士から、 ランクが低いものが現れることもある。逆も然り。男は金だった。
男は何もせずただ働く人たちを見て笑っていた。 男が見ているほとんどのものは銅だった。 男は以前銀の者たちを見たが、 綺麗な環境、笑顔の絶えない場所、何一つとして優越を感じなかった
「さて出かけるか」
男は立ち上った。 なぜなら今日は年に1回ある、金の者たちだけの会議なのだ。 この会議に集まらない者は噂では銅に落とされるらしい。
男はそんな噂を信じてはいないが、結局何をしていても暇なので毎年行くことにしている。
ざわざわ
いつもの会議室に入るなり騒がしい。いや、去年も騒がしかったがそれは銅のものや銀の者に対しての鬱陶しさ等だが 今回は違うようだ
残りは5分ほどだろうか いつも100人 ぴったりいるのに今年は98日しかいない
「皆さんこんにちは」
いつもの声に皆振り向く。 今喋ったこの方はこの国で誰よりも偉い。ランク制度のこの国で、たった一人しか居ない御方だ
「 この中には知ってる人がいるかもしれないけど、 実は金の者たちで争いが起こった。 みんなも知っての通り この国にはルールがある。それは金も例外ではない。 と言うことで、こいつらは物になる」
一同唖然とした
今まで自分たちが立っていたこの場所は絶対的なものではなかったと知ったからだ
今年の話はもう終わり、 みんな家に帰る
次の日男は銅のものを見た。笑うため。 しかし、今日はいつもと様子が違う。銅の、ものは何かを囲って笑っている。 そこにいたのは、かつて金だった者だ。今はもう物だが
御方⬅️者⬅️者⬅️もの⬅️物
ショートショート 人間階級(ランク) @kokoroyomi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます