第9話 閑話 試験護衛艦CIC
≪この小説はフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありません。≫
試作50mm径レールガンを全弾打ち尽くした試験護衛艦のCIC(戦闘指揮所)では、慌ただしく状況分析を開始していた。
「試作50mm径レールガンの状態はどうだ」
「問題ありません、砲身も無事ですし、電源及び射撃管制システム等にもエラーありません、しかし固定砲台と違って護衛艦は海上で動いてますし揺れてますから、発射制御システムも自動追尾システムも更なる改良が必要かもしれません」
「レールガンの超高速徹甲弾の命中精度等、至急レポートを提出してくれ」
「了解であります」
「試作27式信管を搭載した超高速榴弾が残っていれば、確実に撃ち落とせたかも知れないが、発射試験終了後の帰港途中だったのだから残弾数『0』は仕方ないな、たが試作27式信管を搭載した超高速榴弾の高速飛翔体に対するデータも、可能なら取りたかったな」
「発射試験とは違う、生のデータは貴重ですからね、超高速徹甲弾の生データが取れただけで今回は良しとしないと、きっと上層部も納得してくれますよ」
「主砲熕(ほうこう)の62口径5インチ単装砲は射程が短いですから、今回のデータを基に、早く50mm径レールガンが正式採用されて、今後新造される護衛艦全てに配備されると嬉しいですね」
「そうだな、だが50mm径レールガンも長距離迎撃ミサイルも、あくまでも抑止力としての装備であって、護衛艦が退役するまで実戦で使われないことが一番大切だと心しろよ。あと、万が一のことがあるかもしれん、レールガン用の超高速徹甲弾と27式信管搭載の超高速榴弾の追加補給が可能かの確認も頼む」
「了解であります」
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一方、新型イージス護衛艦のCIC(戦闘指揮所)では、不測の事態に備えて、司令部や他のイージス護衛艦等と、戦術データ・リンクの暗号通信で連絡を取り合っていた。
「こちらはイージス護衛艦『くさなぎ』、落下してくる宇宙ステーションに対し、搭載していた長距離迎撃ミサイルを全弾発射したため、至急最寄りの基地に寄港し補給を受ける必要がある、次は無いと思いたいが不測の事態に備えて、警戒態勢を強化願いたい、以上」
「こちら※※基地、長距離迎撃ミサイルは明日1200までに貴艦に搭載できるよう準備させる、その他で不足している装備品等があれば至急連絡されたし、以上」
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閑話の3話、お楽しみいただけたでしょうか?
なんとなくリアルの世界でも現実に話していそうな、そんな内容の『会話』主体の閑話で、第2話・第3話・第4話・第5話のその後、みたいな形で書いてみました。
世界情勢は、何だかきな臭い状況が続いています。
ロシアはウクライナを侵攻しましたが、北海道に侵攻するプランもあったみたいですし、中国は虎視眈々と台湾や尖閣諸島・沖縄を狙っています。
最近妙に地震が多い日本は、経済機能が一時的に失われるような大地震が発生した場合、復興対応のすきを突かれ他国に尖閣諸島などを侵攻される等、火事場泥棒的に領土紛争に巻き込まれるなんて可能性も、今の世界情勢を考えると可能性を排除できない現状です。
抑止力となるはずの国際連合が、全く機能していないからですね。
国際連合を機能不全組織にしたのは、自国の都合で好き勝手に拒否権を発動する、常任理事国の存在です。
国際連合の敗戦国条項がいまだに削除されていないで残っているにもかかわらず、日本が国際連合至上主義みたいな状態になっているのも問題なのですが、アメリカ合衆国が世界の警察を辞めてしまった今、そろそろ国際連合に代わる新たな国際的枠組みが必要なのかもしれませんよ。
敵国条項とは、その内容を端的に言えば、第二次大戦中に連合国の敵国であった国が、戦争の結果確定した事項に反したり、侵略政策を再現する行動等を起こした場合、国際連合加盟国や地域安全保障機構は、安保理の許可がなくとも当該国に対して軍事制裁を科すことができる、としている条項です。
ドイツやイタリアも敗戦国じゃないかって思われるかも知れませんが、両国はNATOやEUに加盟していますから、敗戦国条項を無効化してしまっています。
だから今、一番危ない状況の国は、日本なのです。
専守防衛なんて格好よく言っていますが、先に撃ったら敵国条項を都合よく解釈されてしまうから、実際に攻撃されるまで、絶対に撃てない反撃できないのです。
岸田総理が世界中を駆け回って、軍事的な外交成果を上げてはいますが、何処の国の政党なのか疑わしくなる反対するだけで代案の無い一部の野党や、直面している事実を正しく報道しないメディアの責任は大きいと思われます。
悲しい未来にならないことを願っていますが、覇権主義国家や巨大なテロ組織が存在する以上は、心配の種は尽きません。
閃光 衝撃 轟音 の記憶 綺麗な風景写真が撮りたい @ALICE1961
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