第5話 学級崩壊
「……」
「判決を言い渡す、被告、アーランは無罪」
「え?」
「なに?後ろめたいことでもあるの?」
「いやないけど……」
「なら今回は不問よ、サーシャのことは聞いたわ、私が直接手を下せばやりすぎになってしまうし、今日からサーシャを鍛えることにしたわ」
どうやらあの後、サーシャから話を聞いたらしく今回はおとがめなしということになったようだ。
今日こそは授業が聞けると思いながら教室に来たのだが、なかなかがやがやとしたしゃべり声が絶えずシルファ先生は相変わらずあたふたとしている。
「サーシャ授業聞きに行こうよ、こういうところで他のやつらと差をつけなきゃ」
「は、はい」
「アイリスはどうする?」
「そうね、二人が行くならたまには私もまじめに授業を聞いてみようかしら」
「決まりだね」
三人と一緒にシルファ先生のところへ行く。
最初は驚いたような様子だったがあれたちがまともに授業を受けたいと申し出ると驚いて目に涙を浮かべながら授業を始めた。
驚くことに授業内容はとても分かりやすかった、シルファ先生に聞いたところによると新任教師が力を示す場で緊張してやらかしてしまい生徒に舐められてしまったそうだ。
初めの頃は聞いてくれる生徒もいたそうだがだんだんとほかのグループに吸収されて今はもう聞いてくれる生徒がいなくなってしまったらしい。
「この時期の子供って、お茶目というか自由奔放でちゃんと力がある怖い先生のいうことは聞いてくれるんだけど私みたいなのは舐められて大体の人が辞めちゃうの」
「人間の学校とは違うんですね、みんなチャイムが鳴ると座って待ってますけど」
「他のクラスの子はそうだと思うわ、私があそこでへましちゃったから……」
他のクラスはここまでひどい学級崩壊はしていないらしい。
ここが特別あれているということらしい、シルファ先生は現状を話すたびに顔が暗くなっていった。
解決するのはたぶん簡単だ、シルファ先生がちゃんと怒ってしかればいいのだ。
子供たちに怒らせちゃダメな存在なんだと理解させることができれば今後授業中にうるさくすることもなくなるはずだ。
「で、でも私そんな怒鳴ったりできないし」
「魔力威圧はどうです?先生なら使えるんじゃないですか?」
「か、かわいそうじゃない?」
「それくらいしないと聞いてくれませんよ?」
「うぅぅぅ、それしかないのかなぁ」
魔力威圧の効果は自身が使える魔力に依存して威圧感が増す魔法だ。
シルファ先生はエルフで他の種族より生まれつき魔力が多いのだ、どんなに弱くてもここにいる子供たちを怖がらせるくらいならできるはずだ。
「み、みんな!そろそろ本当に授業が追い付かなくなるのちゃんと私の授業を聞いて欲しいの」
「えー、シルファせんせー弱いじゃん何も教えれないでしょw」
「ふぅぅ、みんなごめんね?」
シルファ先生から魔力の高まりを感じる、その魔力は想像以上に強くて純粋な魔力量で俺の数倍、いや十倍ほどある。
他の生徒は魔力をまだしっかりと感じ取れないからなのか、まだ笑顔で雑談に花を咲かせている。
俺の額には冷や汗が流れており、アイリスはサーシャをかばう様に目をふさいで机の下に押し込んだ。
『みんな私の授業を聞いてくれるかな?できればこれ以上のことはしたくないの、分かったなら明日、ちゃんと教科書をもって教室に来なさい』
魔力の乗った背筋が凍ってしまうような声はおっとりしたシルファさんから出るとは思えない恐怖を感じる冷たい声だった。
シルファ先生はそのまま教室を出て、最後にこっそり俺たちに手招きしていた。
「だ、大丈夫だった?怖かったよね、ごめんなさい」
「そんなに謝らないでください、作戦は大成功でしたよ」
「もう二度としたくないや、、、」
「これからもどうしても困ったら少しだけ魔力を声に乗せるといいかもですね」
「うん、生徒に助けられてばっかりだ、ダメな担任でごめんね、アーラン君」
「だ、大丈夫ですよ、これから頑張りましょう」
「あ、アーラン君、君は私の自慢の生徒だよぉぉぉ」
そういいながら飛びついてくるシルファ先生、大人の豊満な胸が顔に当たり幸せな状況が続いている。
しかし、早く引きはがさないとこんなところをアイリスに見られたら、、、
「アーラン?」
「あ、アーラン君、、、」
「ち、違うんだ二人とも」
最悪の状況になった。
早く引きはがして弁明しないといけないのにこのポンコツ教師、力が以上に強い。
「ギルティ」
「私もいつかあんなお胸を……」
「シルファ先生離れてくれぇぇぇ、違うんだよアイリスぅぅぅ」
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