第2話 守の仲間たち
やがて、守は、転所してから、1カ月が過ぎ、守は、かねてからの念願の「少額・自費出版」の話を進めることにした。小説の直しを終えると、自前で数部刷って、配ると、反響があった。
「これはいける!」
守は、それが、とても嬉しかった。
ある日、養護の出身の2人が、仲違いしていた。守は、その原因が何なのか? 守は、わからなかったが、彼らは、お互い、パニック状態になっていた。そこで、守は言った。
「そっと、しておいたら……」
でも、一気に解決しようとして、混乱に、拍車をかけていた。彼らには、問題を、保留にして、よく考えてから、理詰めで、話し合うことが出来ないようだった。
感情に流されている様子を見て、守は、心を痛め、思わず話し出した。
「言いたくないけど、言いたくないけど、免罪符になるから、教えたくは、ないんだけど、こうゆう時は、「スミマセン」系の言葉を使うといいんじゃないかなー」
すると、片方が、何かに気づき「ごめんなさい」と、言うと、もう一方は、意地を張るのを止めた。
彼らは、「スミマセン」系の言葉の重要性を認識した。
4月中頃から、5月中頃までの、しばらくの間、平穏な日々が続いた。 五月の中頃、守の取り巻く環境は、段々複雑になっていった。彼らと仲良くなれるのか? それは、現時点では、不透明であった。いろいろな人と話をしていく中で、守と仲良くできる人間は、中々見つからなかった。
その中で、特に仲の良い人は、年の近い古田修である。修は、どもりながら話すが、的の得たことを言う、そして、周りの人達に対して、優しく接するので、皆から好かれていた。
ただ、最近は、具合が悪いのか、休むことが多い……。
その中に、Cがいる。仕事をさせれば、右に出る奴はいないが、弱いやつを見つけると、意地悪を、するので困った、奴なのだ。Cは、ギリギリの線で、この事業所に存在していた。最近のターゲットは、ゴウである。
守は、少しづつ、皆と仲良くなっていった。中堅のゴウ、コトゲ、イナズマの3人に、目を付けた。彼らは、将来のことについて、迷っている様だ。
そこで、守は、彼ら3人と、コミットすることにした。
守は思った。
……きっと、仲良くできる、上手くいく……
そんな3人は、どんな人かというと、ゴウは、彼らの中では、しっかり者である。自信がつけば、それなりに、ステータスが上がって、社会人クラスになりそうだが、Cに狙われていて、嫌がらせを受けていた。
深刻なのは、コトゲとイナズマの様子だった。
コトゲは、自分の置かれた悲惨な立場を、我慢して、それを、受け入れられない現実を、無理に、受け入れ様としている様に見えた。イナズマは、劣等感からくる、自己主張が激しく、周りの人間を、不快な気持ちにさせていた。
胸に抑えている力を、緩めて、もう少し力を抜いて、周りの人を受け入れて、生きてゆけないか? 守は、彼らに対して、骨を折る覚悟を決めた。
5月下旬、守は、彼らに、コミュニケーションについて、教える事にした。何故なら、お互いに、コミュケーションして、彼らの訴えを聞かないと、彼らが、何を考えているのか、外側から見ていているだけでは、わからないからだ。
円満な、コミュニケーションが出来れば、次に、「本題」の、皆は、それぞれ、どう生きるか? という、根源的な問題に、コマを進められるからだ。
彼らに、金津の心を、事業所での、心構えを示すことが出来るのか? でも、精神障碍者が、こんなことしても、いいのか良くわからないが、それは、きっと、間違っているのかもしれないが、金津の魂が、新津の心が、彼の心に宿っているから、としか、いいようが、ないのである……。
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