第2話 うるッせぇ初詣客の集う大神社敷地内の清水《しみず》

 うるッせぇ初詣客の集う大神社敷地内の清水しみず


 私は初詣が嫌いだ。なぜならば異様に人口密度が高くなるからだ。まわりがうるさいとそれが気になって祈ることもできない。しかも私の祈りは大抵ささやかなものなので、騒音や他人の強い祈りに潰されて神の耳にまで届かないだろう。それにもかかわらず今年は無理に大神社に行った。実験として、自分は本当に人が多い寺社仏閣が苦痛なのか確かめるためだ。それ以前の実験で、私は一人で寺院の敷地を歩くことが好きなのだということが判明していた。この俳句は元旦の大勢の中で私がどうなったかの結果を記したものとも言える。

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