第2話

「グッチとエルメスのバッグが

百個ほしい」

カレンがあるよる夫の一平にそう告げた。

「いくらだ」

「二千万円ほど」

「オレはなんだ?」

「平凡なサラリーマン」

一平が箸をボキッと折った。

「そんなもん払えるかーっ!」

「あとアラブの石油の油田がほしい」

「あーあ、ひとりで石油まみれになってろ」

「子供が五十人ほしい」

「勝手に作れ」

「養育費よこせ」

「びた一文やらん!」

「ケチ」

「ふつうだよ」

一平が呆れ顔でクビをふった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

自由奔放(じゆうほんぽう)なオンナ @k0905f0905

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ