第7話 ミーティング
ある日、光ちゃんが感嘆しながら誠に言いました。「マコたん、変わったね」「そうかな?」と誠は答え、みんなに羨ましがられて恥ずかしくなりました。長方形の大きなテーブルには、光ちゃん、綾香ちゃん、悠作、リサ、そして誠が集まりました。
そして、誠が考えたコミュニケーションについての話が始まりました。光ちゃんが不思議そうに誠に尋ねました。
「マコたん、話し上手になるにはどうしたらいいの?」リサは光ちゃんの話を聞いて慌て、光ちゃんの席を割り込んで誠の近くに行きました。しかし、可愛い綾香は、静かに遠くから興味深く見ているだけでした。
誠は皆に控えめに話し始めました。「相手に挨拶や関心を示して話のきっかけを作るんだ。話が始まったら、「うん、うん」と頷いたり、「そうなんですね」「そうね」 「~なんですね」と事実に関する相槌や、「面白いね」「楽しいね」と感情に関する相槌を使って、相手が聞いてもらえたと感じるくらいじっくり聞くんだ。この時、相手の話を遮るアドバイスや反論は禁物だよ!」
誠は核心に迫りました。「会話の目的は相手の話に共感することだから、話を受け止めたら時折、「分かる」「本当」「確かに」と共感の言葉を使って相手の話に共感するんだ。
共感できなければ質問するんだけど、例えば、「それどういうこと?」「その後どうなったの?」「それどんな気持ち?」「その話もっと聞かせて」「それ教えて」と相手に話をしてもらいながら共感できることを探すといいんだ。」
誠は言葉に力を込めました。「共感できることが見つかったら、「分かる」「本当ね」「確かに」と共感の相槌を使うといい。その後、自分が理解したことを相手に伝える。「~は嬉しいですね」「~は面白いですね」と感じたことと感情を一緒に伝えることだ。もし感情がよく分からなければ、単純に相手の言ったことをオウム返しするといいかもしれない。」
悠作は重要なポイントを話しました。「大切なのは、「こう言おう」と考えるのではなく、感じることだ。相手の気持ちに注意を向けて話を聞きながら、何かを感じたらそれを表現するだけでいい。」
リサが補足しました。「相手に思いを伝えるには、言葉だけでなく、「ああ~」「おお~」「えぇ~」などの感情を伝える擬音を使って、それに言葉を加えることで会話を盛り上げ、実りあるものにするのよ。」
光ちゃんは驚きました。「そうなんだ。」
誠は、既に誰かが考えていることを掴んでいました。悠作の締めの話に耳を傾け、「うん」と言いました。悠作は得意げに言いました。「そうね、相手の話に自分の体験の似た話をする自己開示をすると、相手との距離がぐっと縮まるんだ。」
「それは確かに、聞くのも大事だけど、話すことも大切だ。確かな言葉で自分の立場を守り、相手に自分の考えや思いを伝えて、相手の知恵や力を借りて、自分の人生をより良いものにするためには大切なんだ。」
リサが知っていることを言いました。「そうそう、相手に共感を求める言葉である「でしょ、でしょ」を言うと、相手がそれを受け止めてくれて、満足感が得られるのよ。」
悠作は「そうだね」と同意しました。
仲間たちは驚きました。「へぇー」と言い、悠作は自分の持っている知識を披露できて嬉しそうでした。「凄い……」と光ちゃんが言いました。「悠作は傾聴の技術を持っていたんだね」と言いました。
悠作は照れながらも、「嫌々」と言いましたが、仲間たちは悠作の知識に目を大きく開けて「凄い、凄いぞ」と驚きました。誠はその様子を見て、悠作の持っている知識をもっと仲間たちと築く新しい世界のために使ってほしいと思いました。
仲間たちは輝く未来を想像して、思わず嬉しそうな微笑みがこぼれました。
しかし、彼らは知らない。誠を中心とする仲間たちを懲らしめようとする猪熊とその仲間たちの敵意が満ちていることを。綾香は支援員の人たちと協力して、今のような雰囲気を発展・持続させようとしていました。
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