第6話 学習
誠には親友の悠作がいるが、リサとは相性が悪い。誠が悠作に相談しようとしても、悠作は気ままに休むため、信頼するには程遠かった。
リサは、放置すると環境を考慮せず、重戦車のように誠と共にボスキャラを目指して突進する。
しかし、リサと誠は大きな精神エネルギーを使いながらも、満足のいく結果を得られなかった。
その結果に誠は不満を感じた。
そんな時、リサはどこからか持ってきた本を誠に渡した。しかし、リサが持ってきた「リーダーシップ」の本に書かれていることに、誠は共感できなかった。
リサは興奮して肩を震わせた。
誠はリサに尋ねた。
「リサポン、これで本当にいいの?」
「これでいいのよ」
リサの言葉には何かおかしな点があるが、リサの説明を聞くと、誠は自分に力が足りないと感じ、リサの期待に応えようとさらに努力した。
そんな誠を見かねた支援員のソルトさんが、誠に注意を促した。
「誠さん、本の通りにはいかないのよ」
ソルトさんは無表情でそう言った。
誠はソルトさんに否定されると、自分の全人格が否定されたように感じ、言われたことを理解できなかった。
誠がそのことをリサに話すと、リサは「ソルトさんの言うことは違うわ」と曖昧に答えた。
心が折れた誠は綾香に辛い気持ちを打ち明けた。
「みんなのためだったのに……」
綾香は哀れむような顔をしてその場を去った。
誠は綾香にすがった自分に怒りを感じた。
自分はこんなに情けない人間だったのかと思った。
家に帰り一人で考えた誠は、知識と現実の違いを理解し始めた。
ボスキャラを目指すことが問題だと思い、これからは皆の一段上に立ち、声をかけることをやめようと決心した。
そして、悩んだ末に、今までとは違う方向で方針転換することにした。
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