Extra part.005 -結婚?だからできないって言ってるじゃん-

「二人ともいい加減結婚したら~?」

「だからできないって言ってるじゃん。法律上無理なの」

「…高校生でも結婚できるかって調べたことあるけど、無理って書いてたもんね」

「じゃあ、結婚できたらもうしてたってこと?」

「「当たり前でしょ」」

 出来るならしたかったけど、いま出来ないんだからしょうがない。おのれ民法め、って言ったって、未成年で結婚する人なんてそうそう居ないし、別に僕らも待てるから良いんだけど。

「でもさ、事実婚とかってあるじゃん」

「…それで言っても、僕らは姉弟として扱われるんじゃないの?」

「あ~、そっか」

 そう言いながらコップに入った水を飲む佐藤さん。

「…まあ、頑張って」

「ありがと、佐藤さん」

「あ、じゃあ私そろそろバイトだから。じゃあね~」

「またね、由希ちゃん」

 そう言って玄関の方に向かう佐藤さんを見送った後、僕らはソファに座る。

「…指輪、買ってみる?」

「…唐突だね、彼方。でも良いかも」

 そう言いながら、左手を眺める伶衣。

「…彼方とお揃いになるね」

「そうだね」

 僕たちの恋人兼義姉弟という曖昧な関係が、夫婦という関係に変わるのが、とても待ち遠しい。


――――――――

作者's つぶやき:彼方くんと伶衣さん、実は内心で結構(結婚したい…!!!)って思ってるんですよね。

佐藤さんに結婚報告した日には大騒ぎになりそうですね。

あと式には呼べって言われてますから、たぶん式も開くでしょうね。

――――――――

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