Extra part.004 【side:天笠実乃】-言っちゃった…-

「~~~~っ!!!!」

 声にならない叫びを上げながら、ベッドの上でジタバタと暴れる。

 …彼方くんに、好きと言った。言っちゃった。彼方くんには、伶衣ちゃんがいるのに。

 でも、彼方くんは否定しなかった。

『僕と伶衣の今の関係を壊そうとしないなら、特に問題は無いと思う』

 そう言ってくれた。

『好き』を否定されたくない気持ちと、『ダメな好き』を否定して欲しい感情が、私の中で渦巻いていた。

 優しくて、かっこよくて、時折少し可愛くて…。

 思い返せば、また胸が締め付けられる。

 好きで、好きで、どうしようもなく、好きなんだ。

「…好き」

 失恋って…こういう事なのかな。

 好きで、好きで、好きで好きで堪らないのに、でも、好きになっちゃいけなくて。

「………かなた、くん」

 その言葉を口にする度に、どうしようもなく、また好きが溢れ出す。

「…あれって、振られた、よね」

 嬉しいような、悲しいような…。不思議な感情。

「…でも、これからも変わらない距離感で居てって彼方くんに言ったんだから、私も変わらない距離感で接さないと…だよね」

 大丈夫かな、今よりももっと、好きになったりしなかな。

「…明日、楽しみだなぁ…」

 そう言いながら、私は目を閉じて眠りに就いた。


――――――――

作者's つぶやき:本編時間的には、あまっちが彼方くんを好きって言って帰宅した後です。なんでかは分からないですがあまっちは絶賛悶え中でしたね。

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