Extra part.003 -衣替えをしよう-

「伶衣、衣替え、そろそろしようか」

「そうだね」

 10月ももう下旬。いつまでも夏服だと冬が来たら凍えてしまうので、衣替えをすることにした。

「伶衣、手伝おうか?」

「う~ん…私の下着が見たいなら良いけど、見たい?」

「…いや、別に」

「それはそれで傷つくなぁ…私の体って魅力ない?」

 そう言って、不安そうに胸の前で拳を握る伶衣。

「伶衣は魅力的だと思うよ。優しいし、可愛いし、綺麗だし。あとは―――」

「もうっ、もういいよ!」

 顔を赤くした伶衣が少し大きい声でそう言う。

「…喉、痛めないようにね」

「う、うん。ありがと」

「…じゃ、始めよっか」

「うん」


 ■


 衣替えは一度に行わないほうが良いらしいので、一先ず上着を少し厚手の物にしておくくらいにしておいた。

 あ、そうだ。折角だしシーツ洗濯しておこうかな。

 そう思った僕は自分のベッドのシーツを外して、冬用の起毛シーツに取り換える。

 自室を出て、すぐ前にある伶衣の部屋のドアを開ける。

「これはぁ…着れる。次は…」

「「あっ」」

 下着姿の伶衣と目が合う。どうやら、衣替えに合わせて下着の断捨離をしてたらしい。…じゃなくて。

 ノックぐらいしてから入れって、僕。

 いつもならノックするはずが、ノックをせずに伶衣の部屋に入ってしまった。

「…終わったら言ってね」

「ま、待って」

 そう言って部屋を出ようとする僕の手を掴んで引き留めようとする伶衣。

「…どうしたの?」

「いや、その…見ててほしいなぁって…」

「…へ?」

 それはどういう…。

「次!次で下着最後だから!」

「………分かっ、た。着替え終わったら言って。それまで廊下見てるから」

「ダメ。ちゃんと見て」

「………伶衣、本当に大丈夫?」

「…弟なら、姉の着替えくらい…なんとも、思わないでしょ」

「…姉弟ならね?僕ら義理だよ?恋人だし」

「よ…欲情したら襲ってくれても…」

「…この話止めよっか」

 そうして、強引に伶衣の生着替えを見ることになったのだった。


――――――――

作者's つぶやき:…本当に何してるんでしょう、このカップルは。

…まあ、はい。この後はご想像にお任せします。どうなったかはご自身の想像で補完してください。まあ、碌なことにはなってないですね。

なんか、たまに伶衣さんって物凄い事言い出しますよね。

――――――――

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