第16話 すれ違い

 僕は堀宮さんの誘いを断った。


「嫌です……」

「えっ! どういうことかしら? いつもならすぐにオッケーしてくれるのに」

「堀宮さん……」

「ん? なに? 何か相談があるなら私に――」

「堀宮さんのせいで僕の友達……みんな離れていくんです。北川さんも鈴井さんも、それにいずれ白川くんも……」


 僕は堀宮さんと目を合わせることなく、それだけを伝えてその場から立ち去った。

 でも背中を向けていたけどなんとなくわかる。

 堀宮さんが何かを言い掛け、僕を呼び止めようとしていたのは。


 だけどここで立ち止まったらいつもと同じ。


 そりゃ堀宮さんはこの高校で色んな人に持ち上げられて、構ってもらえて、さぞ楽しい高校生活を満喫してるのだろう。


 だからこそ彼女は知らない。


 突然、自分から人が離れていく哀しみと恐怖を。


「待ってよ! 何で……そんな態度取るのよ」


 堀宮さんは案の定追い掛けて来ている。

 そして僕の右腕を強く掴んだ。その手はぷるぷると震え、「はぁはぁ」と息も上がっていた。

 

「離して、ください」

「ダメよ、ちゃんと理由わけを話してくれるまで絶対に話さないから」

 

 僕は全力で堀宮さんの手を振り解くと、全力疾走で階段を駆け上がる。


 その後ろを必死に追い掛けてくる堀宮さん。


 何でそこまでして……このまま放っといてくれたら良いのに。


「待ちなさい! 桜田くん――ううん、ゆーくん!!」


―――――――

次回、どうなるのかお楽しみに!

と、いつもと違う形で最初に一言入れてみました。


今回もお二人の方に★の評価をいただきました。

ランキングは……まあ、あれからなかなか上がらないものですね。

評価してもらえる嬉しさ、ランキング上がらない悔しさで何か変な感じです。


ぜひとも皆様、フォロー、★の評価

よろしくお願いします

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