第8話 白川くんの友達

 白川くんのことは、最初は馴れ馴れしくてチャラいやつだなぁと思っていた。

 しかし今となっては白川くんには本当に感謝している。この出会いがあったからこそ、僕はクラスで浮くこともなく平穏な日々を送れているのだから。


「そ、そうだけど……君は?」

「ああ俺か? 俺は白川宋也しらかわそうやだ」

「僕は桜田結人さくらだゆいとよろしく」

「おおよろしくな。っでお前、何組?」

「2組だけど」

「そっか、なら一緒に行こうぜ」


 自己紹介が終わったことで、僕と白川くんは2組の教室まで向かった。教室に入るなり、白川くんはそれなりの人気者だったようで、


「白川じゃんおはー!」

「ソウおはよー」


 二人の女子が白川君にそう声を掛けてきたのだ。


「ねぇ、白川……この子だれ?」


 僕の顔をまじまじ見ながら不思議そうな表情を浮かべているのは、北川杏子きたがわあんずさん。金髪で耳たぶにはピアスをして一見怖い人に見えるけど、実はものすごくいい人だ。

 

「ああ、こいつは桜田結人さくらだゆいと。今日初めて会った」

「めっちゃ仲良さそうじゃん。うらやま〜」


 僕の肩に手を回す白川くん。イケメンだ。

 そんなイケメンだからこその笑顔が眩しかった。

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