第5話 話が噛み合わない

 ここでみんなは疑問に感じるはず。

 僕が素直に白川くんとカラオケに行きたいと伝えたらどうなるのか、と。

 そう考えたりもしたよ、けど……。


 ここで堀宮さんの決まり文句が発動するのだ。


「また私と離れるの?」と。


 で、僕の毎度の答えが、


「ごめんなさい」


 そうこの一言ですべてが終わってしまうのだ。


 これはいかがなものか。

 特に付き合っているわけでもなく、たまたま学校初日に屋上で話したからってだけで何でこうも束縛されないといけないのか。

 まあ、でも可愛いし、かっこいいから僕は満足だけど。近くにいるだけでドキドキするし、小学生の頃を思い出す、みたいな感じで。


 しかしこれだけは言える。

 間違いなく僕以外の人に同じことをしていたらとっくの前にみんな離れていくに違いない。

 

 

「何してるの? 早く帰りましょう」

「……は、はい」


 僕は静かに頷いた。

 教室に白川君くんを放置……何だか心が痛い。


「ねえ、初めて出会った時のこと覚えてる?」

「えっとあの桜の下、だったような気が……」

「…………」


 僕がそう言うと堀宮さんはだんまりになった。

 何か間違ったことでも言ってしまったか、と心配にもなったけど、堀宮さんは何事もなかったかのように話を進める。


「……だからよ、私はあなたの教室に行ってわざわざ屋上に連れて行ったの。大事な話をしたくて」

「えっと……確かに行きましたけど、大事な話ってした覚えが。それに会話がどうも噛み合ってないっていうか……」

 

 そんな堀宮さんとの出会いは、アニメやマンガなんかに良くある桜の樹の下でのことだった。


――――――――

今回もまた★の評価をいただきました。

それに投稿を開始して僅か5日で90フォローとめちゃ嬉しいです。

(因みにラブコメランキング142位に上昇!)


隙間時間に1話1分でをモットーにこの作品の投稿を始めました。評価してくださる方、本当にありがとうございます。


もっともっとこの物語を皆様に知っていただきたいです。

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