モンスター紹介 ~レブナント~

ーーー突然始まるモンスター紹介ーーー


『レブナント レベル40~ 所持スキル:葬送魔法 死の手 恐怖誘発』


「死人に口なしというが、手は出してくる。ホントだぞ?」

――コンスタンティン、傭兵隊長。


「葬式は、死者に対するつとめというよりは、生者に対するなぐさめである。しかしそれをおこたることがあれば、死者は黙っていないだろう。」

――アルブレヒト、司祭・シルニア大学名誉教授


「レブナントは絶品だ。死、苦悶くもん、きわめつけの恐怖。それらあっわせ持ちながら、一切の無駄口を叩かない。あれほど忠実で有能な猟犬が他にいるかね」

――オットー・フォン・カルンシュタイン、ヴァンパイアロード


 レブナントは帰参者きさんしゃとも呼ばれるエーテル状態のモンスターだ。


 かつて生きていた姿を取ることもあれば、恐ろしい怪物の姿を取ることもある。

 彼らが本当にこの世を去った魂なのか、それとも何らかの別の存在なのかは、憶測と議論の的になっている。


 ゴーストと同じく、レブナントは最も一般的に出くわしうる亡霊だ。

 しかし、その危険性はゴーストの比にならない。


 ゴーストは必ずしも悪意を抱いた存在ではない。中にはいたずら好きで、生者を驚かして喜ぶ陽気なものや、家に残って家族と同居し続けるものまでいる。


 しかし、レブナントは混じり気のない純粋な殺意から生者を攻撃する。


 亡霊の多くは墓、あるいは死んだ場所から遠く離れることは出来ない。しかしレブナントはその例外であり、復讐を果たすべき相手に対してどこまでも追跡を行う。


 典型的なレブナントの姿は、背骨のねじくれた黒い猟犬。あるいは黒の狩猟服を着たクロスボウを持った男性だ。


 レブナントは概して強力なスキルを持ち、そのほとんどが「逃さない」ことに特化している。


黒死病ブラックデス

 黒死病は肉体を維持するエーテルを変調させ、血を腐らせる疫病の魔法だ。

 被害者の遺体が真っ黒に変色することからこの名がついた。

 このエーテル変調はネズミ、あるいはダニを通して感染する。

 レヴナントは、獲物が聖なる結界の中に閉じこもって簡単に手が出せなくなった場合、この黒い死を蔓延まんえんさせ、街ごと破壊してしまうこともある。



黒杭ブラックネイル

 黒杭はレブナントが好んで使用するスキルだ。

 黒い金属質の杭が散弾となって被害者を襲い、縫い付ける。レブナントは、そうして動けなくなった相手をなぶり殺しにするのだ。



黒葬こくそう

 黒葬を使用するレブナントは多くない。高位のレベルにある聖職者、騎士、魔法の心得のあるものがレブナントになった際、黒葬を使用する。

 黒葬を端的に説明すると、人を食う黒い霧を発生させる魔法だ。

 霧から生まれる牙や爪は、純粋なエーテルであり、鉄のよろいは役に立たない。

 黒葬の牙は短く、爪は鈍い。霧の獣は被害者の肉を切り裂き血を絞り出すが、なまくらゆえに被害者はなかなか死ねず、苦しみ続けることになる。

 レブナントは獲物の苦悶を楽しむ。

 甘美なる復讐の愉悦だけが彼らを満足させ、彼方かなたに去らせるのだ。

 


 レブナントに出くわした際の対処は簡単だ。

 黒衣の狩猟者に心当たりがなければ、逃げることで害を逃れられる。レブナントは無慈悲な狩猟者だが、狩りの邪魔にならない生者を進んで害したりはしない。


 だが、狩猟者の姿形に何らかの心当たりがあった場合は?

 その者は決して夜明けを見ることはないだろう。




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※作者コメント※

こういうの大好き(ほくほく)

次の冒険シナリオはすでに思いついてるので、続きは午後にアップします。

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