6月某日
あなたと離れた5月から今日まで
日中は淡々と笑って仕事をし、
帰ってはひたすら泣き、
だいぶ早めに起きて目の腫れを引かせ、
食事は喉を通れば胃に流し込む。
そんな毎日。
どうやって生きているかも定かでは無い。
何も気にしてないように笑っていたほうが
相手は焦って追いかけてくるらしい。
男性心理とか一般的な復縁の方法とか
ある程度生きてきたら理解はできるけれど、
無理して笑うことはしない。
あなたが好きで会いたい気持ちも、
体と記憶から消えない重い痛みも、
無理をしたところで楽になるものではないから。
連絡ツールも作り直して、
初めからSNSは繋がっていないし、
普通に過ごしていても偶然に出くわすことはない
私たちの距離。
無理したところで見せつける方法もない。
どれだけ惨めだっていいじゃないのね、
これが私。
この世の恋愛で一途に勝るものはないと思ってる。
失恋は初めてじゃない。
けど、こんなに痛みが残る別れは初めてで
なんとかしてこの左肩の痛みを楽にしたい。
悲鳴をあげるような痛みじゃない。
ふとしたときに心臓を一刺しにするような
あの瞬間の映像と記憶が肩にいて、痛い。
-
だから私は、あのとき以上の痛みを肩に彫れる。
2時間弱痛みに耐えた私の肩には
本当に綺麗な、かわいい金魚が2匹泳いでる。
向かい合う金魚の真ん中に、
1輪花をいれた。
ちゃんと意味がある。
まだ付き合ってもくれてない頃の
出会ってまもない私たちに起きたこと。
-
ここまでしなくても
そのうち他の誰かに恋をして、
素敵な恋愛で上書きをして、
過去を笑えるようになればいいんだと思う。
でもまだ私にはできない。
きっと長く永くできない、そんな気がする。
あなたと出会って1年弱なのに、
とても独りで生きていくには重すぎた。
忘れたいけれど、
忘れてはいけないことがある。
ひときわ暑かったあの9月。
何かが狂い始めたのはきっとあのときから。
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