第14話『準々決勝後、話し合いパート1』


 俺達は学校校内にある訓練場くんれんじょにいた。


「いや~、準決勝まで。行けるとはな~」

 次郎が嬉しそうに話す。


「そりゃあ、おれ達なら、これくらい楽勝だ」

 今野も嬉しそうだった。


「だよな」

 次郎が頷く。


 まさか、準々決勝まで駒を進める事ができたのは、俺的にスゴイことだと思う。

 まあ、今のところ、ほとんど次郎達の力で、ここまでこれた訳だけど。


「よっしゃ~!!」

 次郎が声を上げた。

「とうとうあいつと戦えんだな。俺のライバルである柊木ひいらぎトオルと!!」


「柊木トオル?」

 俺が首をかしげると。


「ああ、柊木トオルはな。俺のギルドである『赤桜騎士団』所属していてな。滅茶苦茶めちゃくちゃ、強いんだ」

 次郎が説明する。


「ああ、柊木先輩か。2年生の中で一番、強い生徒だよね?」


「そうだよ。彼は2年生で一番、強く。次郎とは友人であり長年のライバルなんだ」

 強司が答える。


「そう。彼は素で、光、水、土、風の4属性が扱える『クアドルプル』よ。キャラがいれば、もっと使えるらしいけど」

 花輪囲さんも話にくわわる。


「キャラなしで、4つも扱えるなんて。スゴいな」


「まあな。精霊に滅茶苦茶、愛されているんだ。しかも、2年で3人しかいない、Aランク冒険者だ」


「ヤバいね……」

 Aランク冒険者とかいって、もう上級者じゃないか。

 大人でも慣れない人、多いのに。


「てか、何でそんなに強いのに第3魔導学校に? 柊木先輩なら第1魔導学校でも合格できんじゃないか?」

 茶良輝喜は疑問に思ったようだ。

「はは、まあな」

「そうだね」

 次郎と強司がニヤニヤし始めた。


「ん?」

「実は、彼。八雲くんのファンなの」

 花輪囲さんが答える。

「え?」

 俺のファン?


「まあ、そういう反応になるよな」

 次郎はケラケラ笑う。

「いいリアクションだね~」

 強司もフフフと笑う。


「何で、俺のファンなんだ?」

「八雲くん。なぜ彼が八雲くんのファンなのか教えてあげるわ」

 花輪囲さんまで、ニヤニヤし始めた。


「ん??」

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