第1話『SSRセイラの解放』

 


  俺は自宅でさっそく、UR(ウルトラレア)キャラであるサラの解放の手続きをする。

 だが――


「あれ? まさか、これは……」


 URキャラを解放するだけの、ランクが足りなかった。


 必要ランクは100なのである。


「マジかよ!? そんな条件があるなんて!!」


 今の俺は38である。


 どうやら、62ランクも上げないと、彼女を解放できないらしい。


「まあ、UR(ウルトラレア)だもんな、そう簡単に解放できるわけないか……」


 俺は深く落胆らくたんした。

 現実はそんなに甘くないという事だろう。

 もっと調べなかった、俺が悪いんだが。


 だが、100ランクあれば彼女を解放できる。

 

 目標ができた。100ランクまで上げるのだ。

 気持ちを切り替え、他のキャラを解放する手続きを進める。


 1000連ガチャをした褒美ほうびとして1枚のSSRキャラ交換チケットがもらえるのだ。そのSSRキャラ交換チケットは、使用期限がないみたいなので、保留ほりゅう

 

 まずは、忠義ちゅうぎ守護光聖竜しゅごこうせいりゅう『セイラ・シュバイナー』を解放しよう。

 

 操作した所、SSRキャラなら、ランクが35以上あれば、解放できるらしい。


 俺は解放にマウスでクリックする。

 

 キャラ霊宝石がヒビが入り、割れる。

 

 中から人間みたいなのが出てくる。

 

 俺は思わず、かたまった。

 

 その女性は金色に輝いていた。

 

 腰まである長い金髪は一つに束ねてあり、顔立ちは端正。

 

 青い瞳も綺麗だ。

 

 顔だけじゃない、スタイルもいい。

 

 Fカップはあるんじゃないだろか?

 

 鎧越よろいごしでも、大きいとわかる。

 

 画面ごしでも、見惚みほれてしまうほど美人である。



「あなたが、主様あるじさまですか?」


「ひゃ、ひゃい……!」


 思わず、情けない声をもらしてしまい、ずかしさで顔が赤くなる。


 美女はハッとし。


 突然とつぜん、美女は片膝かたひざをつき、むねに右手を当てる。


「お初目にかかります。我が主。わたしは守護光聖竜です。ぜひともセイラとお呼びください」


 きりりとした目、そしてすずやかな声で答える。

 礼儀正れいぎただしい。それに真面目まじめさを感じる。


「セイラだね。俺は八雲空音やぐも そらねだ。よろしく」


空音様そらねですね! なんとお美しい名前なんでしょう! それに顔もあいらしくて……コホン、あるじ、これからもよろしくお願いします!」


「あ、ありがとう……」


 愛らしいか、結構、恥ずかしいな。


 照れていると、


「ねぇ! ワタシにも紹介してよ!」


『スマートフォン型グリモワール』である『スマグリ』の異空間アプリ『キャラトピア』にいるウネちゃんが声を上げた。


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