節分と切断

節分と切断

どんなに腹に詰めても

底なしの夜は沼になる

沈んで沈んで

朽ちて化石は

ただの生きていた証拠でしか

発掘ナッシング

なんも貴重でもなんでも

蝿でしか叩かれて潰れて

いとも簡単におまえ

いなくなったんだってねおまえ

死んだらしいねおまえ

息はしていても

苦しむこともできないのに

そんな目で見るなよ

まるでホラー映画の

一番嫌なとこをキャプってしまった

ネットにさらしてしまった

泣きっ面にバズりすぎ

刺されて猛毒

黒こげで灰になっても

火が消えないのは

消防署も人の子であるように

「この店ならナニしてもいいんだ」の

人を捨てて人を保つしか

世のため人のためはできないという

この世の真理が

牙むいておまえに襲いかかる今日このごろ

そんときゃ

たちまちのうちにおまえ

ダイナマイト　束で抱えて

ライター見当たらず

ゆるキャンでやってたように

木で火をおこそうと必死なまま

全ては手遅れ　それでいいと

酒鬼薔薇にも青葉にもなれず

その胸のズタズタボロボロは

行方不明で死体もないのが

結局は良かったんだと

納得するには

恐竜時代の長さが必要だ

だからそのあいだは

食って食って飲んで

飲みつくしてしまえ

食いすぎで太って死んでしまった

そんな伝説すらも

信じたくないので

伝説のまま終わった

ぼくも

あなたも

ぼくや

あなたのまま

終わった

君には

哀れな君ひとりには

倍返しが必要

見上げる世界が

好き勝手に流れて

通り過ぎるだけで

どーでも何も無関係でも

とりあえずこれを

見知ったのは確か

知ってるぞ

もう知ってるぞ

だからなんなんだよ　と

君にはやっぱり

倍返しが必要だ

全然なにも返しじゃないが

八つ当たりしていいよ

殺さなきゃ

なにしてもいいよ

すると君は

「ずるいなおまえ

そう言えば俺が

なにも出来ないと知ってて」

すぐ楽になってすぐ死ぬのと

我慢し続けて

ずーっあとで救われるのと

どっちがいいのか

選べない

選ぶとかじゃない

だって

誰でも列車だろ

レールの上しか走れない

それ人生

きみ育ちがいいね車ですか

いいですね

どこへでも自由に行けて

俺は底辺だから

この車輪がどうにかなって

脱線しない限り死ねないんだ

だから家畜をたくさん乗せた

あの列車をごらんよ

どいつも陰気な顔してら

食われるか　コキ使われるか

どうせ、いいことねえからな

おや

暴れだして

運転手を殺しちゃったよ

方々に駆け出す

自暴自棄のケモノたち

どこまで行けるか

やってみろよ

未来なんか糞にして

ケツからそのへんに

撒き散らしてやる

鬼畜は外　福笑いのウチ

節分と切断は

まるで同じだ

さあ死ね