第39話:僕の知らない麻美子ちゃんの世界。

僕は麻美子ちゃんが学校にいる時の彼女を知らない。

僕と一緒にいない時の麻美子ちゃんの世界がそこにある。


普段はそんなこと想像もしないんだけど街で女子高生同士が仲良く、

はゃしゃいでる姿を見ると麻美子ちゃんもそうなんだろうなって思う。


学校にいる時は、僕のことなんて忘れてるんだろうか?

時々でいいから思い出して欲しい・・・。

まあ、僕だって仕事中も四六時中麻美子ちゃんのことを考えてる

わけじゃないから、だからしかたないとは思うけど・・・。


だけど女子は別として麻美子ちゃんがクラスの男子と仲良く話たり笑ったり

してるのかと思うと、ちょっと切ない。

ほんの少しだけ顔を出すジェラシー。


いい大人なんだから、そのへん寛容であっていいって思うんだけど好きな子の

ことになると心穏やかじゃいられない。


僕のことだけ思ってて欲しい。


麻美子ちゃんの笑顔と風になびく髪・・・ひるがえるスカート・・・

僕の頭の中で、僕を無視して誰かのために彼女が踊っている。


だけどそんな惨めで情けないこと麻美子ちゃんには言えない。


つづく。

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