第30話:アイシテルノサイン。

麻美子ちゃんとデートして、家の送って行ってドリカムの「わたしたちの

未来予想図」の歌詞じゃないけど二階の窓から手を振ってる麻美子ちゃんに

車のテールランプでピカピカしながら帰ってたら、横の田んぼに左の前輪

タイヤがズリズリって落っこちたのです。


車が斜めになっちゃってですね、動かなくなって・・・で助けを呼ぼうと

麻美子ちゃんの家に行こうとしたんです。

そしたらね、道路と川を間違えて橋の欄干を飛び越えて川の中にダイブ

しちゃったのです・・・僕が。


バッシャーンってね。


落ちたところは水が流れてて、石ころとかなかったから怪我はしなかったん

ですけど、びっくりするわ、水浸しになるわで・・・しばらく放心状態

ですよ。


麻美子ちゃんは僕の車のテールランプが動かないもんだから、心配して、

あわてて様子を見に来てくれたんだけど、僕は川の中でおかしこまり状態で

ぼーっと座ってたわけです。

麻美子ちゃんの持って来た懐中電灯に照らせれる哀れで惨めな僕。


「なにやってるの?・・・そこで?」


「あはは、道路と川の位置を間違えたみたいだわ」


「笑い事じゃないってば」


で、麻美子ちゃんの父親やご近所の方の手を貸して車を引き上げてもらって

そのまま車を運転して麻美子ちゃんの家へ・・・。


麻美子ちゃんが風呂に入れっていうもんだから、遠慮なくいただきました。

なんせ落ちたのがドブみたいな川ですから。

で、麻美子ちゃんがこのまま帰すの心配だから、今夜だけ泊まってって

言うもんだから、ご両親に承諾を得て、その晩はお泊まりさせてもらった

わけです。


麻美子ちゃん言いましたね。


「川に落ちた時はびっくりして、泣きそうだったけど、そのおかげで

◯◯ちゃんが泊まってくれるって・・・めちゃラッキー」


って・・・その時、麻美子ちゃんは高校を卒業してたけど、それでも女子高生

とたいして変わらない発言。

僕が泊まっても同じ布団で一緒に寝れるわけでもないのに?


怪我してない?とかの労いの言葉は?大事な彼氏のアクシデントだよ。

ラッキーじゃなくてもっと心配してよ。


つづく。

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