第3話 上空へ

彼女は恐る恐る尋ねた、「今、浮いているのは、なぜ? まさか、空が相手だったとは。」

「相手が人だとは言わなかったよ。」と、6次元生命体が言った。

「それはそうだけど。」

「飛ぶんだ。」

「パラシュートなんて使ったことがないのに。」

「飛べ。」と、背中を押されて、一緒に飛び降りた。

「わーっ。いつ、パラシュートが開くの?」


 急に、景色が変わった。戦闘機に乗って急峻な山の頂上に向かって急上昇したかと思うと、真っ逆さまに落ちて行った。彼女は言った、「『急に』ばっかりじゃないか。」。 急に、眼下に広がる緑の景色を眺めていた。「やっと、一息つけるわ。ほっとした。」

「過去に戻って練習するぞ。」

「えっ。」


「陸上自衛隊航空基地所属パラシュート部隊2等空士を命ずる。今日からパラシュート降下訓練を始める。」

「ハイ?」パラシュートを背負って飛び降りる訓練を地上、空中で行った。

「実地訓練に入る。アフリカに飛んでもらう。」


「えっ、降りてる。まあ、いつもの訓練通りか。」

現実に戻った? 過去の訓練も現在飛び降りたのも現実? 現実って何?

これも相手の揺さぶりか? 私の感情をコントロールしようとしている。私は自分自身で感情世界をコントロールしなければいけない。負けるものか。私が受け取ったイメージを遂行するためには、この苦しい訓練を耐えなければいけない。


 達子は忍者隊と一緒にジェット戦闘機や宇宙船に乗って、模擬訓練を行っていた。

さすがは忍者隊だった。恐怖と戦いながらも重力加速度に耐えていた。達子は、と言うと、メリーゴーランドや乗馬を楽しんでいる様子だった。まるで、馬から馬に飛び移って敵を倒していくようだ。いったい、達子の身体能力はどこまであるのだろうか? 本当に、達子は人間なのか? 何度考えても、答えが無い。

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