第7話 初診-生い立ち-中学時代
「中学時代はどうでしたか?」
中学時代の自分が一番嫌いだ。
仲の良い友だちに飛び蹴りを食らわせたり、肩パンを食らわせたりしていた。なぜその子がわたしの友だちでいてくれたのか不思議である。
「あとは……靴に水入れられていましたね。陰湿なイジメってやつでしょうか」
一度目は、水が入っていることに気付かず靴を履いた。足がびしょ濡れになった。
私はアホなので、「今日雨降ってたしなー。水溜まったんかな」と考え、さして気にしなかった。靴箱に入っているのに水が溜まるわけがないだろうバカタレ。
二度目は履く前に気がついた。
「おやおや。なんかまた水溜まってるよ」と、この時も特段気にしなかった。
三度目でやっと、誰かにイタズラされていることに気付いた。
さすがにメンタルにきた。
こんなことを言うとイジメを肯定しているように聞こえて良くないかとは思うが、自分事に限定した、わたし個人の考えを言いたい。
わたしは、イタズラされても仕方のない人間だったと思う。
だって友だちに飛び蹴りしていたし。
好きじゃない子の悪口を言っていたし。
嫌いな子を無視していたし。
わたしは誰かに陰湿なイジメを受けていたが、わたしも他の誰かに「ぽみーにイジめられていた」と思われていても不思議ではないのだから。因果応報である。
飛び蹴りに比べたら、靴に水入れるなんて可愛いものだ。
決してイジメを許しているわけではないぞ。
イジメが許せないからこそ、こう言っている。伝われ。
一方で被害者になっても、自分が誰かを加害した事実は消えない。
わたしは靴に水を入れられたという経験があって良かったと思っている。
そういうことをされたらどんな気持ちになるか、知ることができたから。
話が逸れたが、中学時代のわたしはザッとこんな感じだ。
こんな感じなので、当然嫌われていた。
ここからは余談だが、中学生になったわたしも依然として風呂ギライだった。
だからこそ、風呂を入った日はやり遂げた感がすごかった。
中学時代くらいから、私は朝シャワーを浴びるようになった。
夜はどうしても風呂に入る気になれない。それは今も同じである。
「わたしは今朝、頭を洗った」
その事実を知らしめたくて、わたしはわざと髪を乾かさないまま学校に行っていた。学校に到着するまでに髪が乾いてしまわないよう、ビッショビショのままで。
今考えるとまじで意味不明だな。なにやってんだお前。
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