第3話 友人に相談-2
相談した友人第二号は、国語の中学教師だ。
彼女とは高校時代からの親友である。
そして彼女は職業柄、発達障害の子どもたちと接する機会が多い。
親友は俺の生い立ちや変人具合をよく知っているので、それを加味した上での意見である。
「なんかさ、ぽみーの場合、発達なのか生育歴なのか、ちょっと分からんな。なんつーの。発達ってするには物事見えすぎてるし、敏感すぎるやん?」
とのことである。
確かに俺の心は敏感である。エロ漫画の乳首くらい敏感だ。
相手の一挙一動の意味をいろいろ考えすぎて落ち込むし、ちょっとしたことで一週間は引きずる。
物事が見えすぎているかどうかは知らん。
発達障害の検査を受けることにしたと伝えると、こう返ってきた。
「ええやん! みんなでこぼこあるし、苦手なとことか、得意すぎるとことか、いろいろ分かっておもしろいと思う!」
うん。俺は知りたいのだ。俺が誰なのかを。
どんな人間なのか、知りたい。
◇◇◇
相談した友人第三号は、一般企業で嫌々バリバリ働かされている脱力系女子だ。
その友人はあまり興味がなさそうにこう言っただけだった。
「みんなそんなもんしょ。なんなら私の方が部屋汚いよ」
確かに彼女の部屋の汚さは異常である。
◇◇◇
相談した友人第四号は……いろいろ仕事をしすぎていて一言では言い表せないのだが、しいて一つを選ぶとすれば、ラジオパーソナリティだろうか。
「発達障害って難しいよね……。人によって違うんやろし、他人から見たらこの程度、そんなんあるあるやん! って思ってても、その人にとってそれで困ってるなら障がいなんやろしなあ……」
彼女のパートナーはADHDなので、そちら側の気持ちをよく知っているのだろう。
◇◇◇
と、私が相談したのはこの四人の友人だ。
人それぞれ発達障害に対する知識や感じ方などが異なっており、どれも興味深かった。
相談した人はみんな「ぽみーは違うと思うけどなあ……」というような反応だった。
それでも俺は発達障害の検査を受けたのだから、相談なんぞする意味はなかった。ごめん。
相談と銘打って、ただ話を聞いてもらいたかっただけなのだろう。
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