第25話ページ49.50 上芝が復縁?
てくれました。私に電話で権田さんの事も含めて全て正直に語ってくれました。私が嫌ならもう落札もしないし、金輪際子供達の顔も見ないと言ってました」
綾には離婚の原因となったギャンブルでの借金でウソをついていたことを、心から反省しているとも言っていたそうだ。心を入れ替え、正直に話をしてくれる上芝に綾は感心し、連絡を取り合うようになった事、子供達にも上芝が、自分の口で全てを正直に話した事を説明してくれた。
「それで綾さんは上芝を許したと言う事ですね」
「許すとかじゃないけど、彼は本当に心を入れ替えてくれたんだなって思いはあります」
「それは上芝にとっても良い事ですね」
綾はうららでパイシュークリームを四個買って帰った。健三は四個目が上芝の分だと思ったが言わないでいた。
七月半ばの土曜日。今年は空梅雨だと天気予報で言っていた。雨で困る人も居るだろうなと思いながらも健三には有難い。やはり雨の日は客足が遠のく商売だ。昨夜からの雨が午前中に止み、蒸し暑さも襲ってくる午後は良く冷えたゼリーが人気だ。季節のフルーツをふんだんに使うゼリーも人気だったが、健三自慢の水出しコーヒーを使ったコーヒーゼリーが大人気。ゼリーを柔らかく固めた上にシャンテリークリームを絞った夏の定番商品だ。水出しコーヒーも売って欲しいと何人にも言われるのだが、水出しコーヒーは権田家でだけ味わうアイスコーヒーと決めている。夜の寝つきが悪いコーヒー好きの健三は、カフェインレスになる水出しコーヒーを好んだ。豆の配合などを調整し、季節で豆の配合を変えているほどの拘りだった。
「いらっしゃいませって上芝じゃないか。それに誠君と美里ちゃんと綾さんまで」
「権田さんに真っ先に報告に来ました」
ここで上芝が綾を遮り、俺たち籍を入れて
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