第4話 ページ7,8 お得意様はストーカー?
する為に勉強を頑張っています。息抜きと母子家庭なので、母さんの助けになればと思って、ネットで色々なものを販売しています。それが、ここ数か月は何を販売しても、同じ人が買うんです。埼玉から電車に乗って、毎回手渡しで品物を取りに来てくれます」
ここまで聞いて、近くで送料もかからない手渡しで、安く買えて良いじゃないかと思えたが、大宮から練馬まででも600円近く必要だ。さらに説明は続き、
「買ってくれるものは出品するもの全部です。ボールペン、ノート、漫画、参考書、服等とにかく全てを買ってくれるのです」
「お得意様で良いんじゃないの?」
「美里が毎回、近所のスーパーの前で待ち合わせて、その人に商品を渡して、お金をもらうのですが」
健三は一旦、話を止めてどんな人なのかを聞いた。
「五〇代ぐらいの男の人で、野球帽を深くかぶって、サングラスをして、美里の手をぎゅっと握りこんでお金を渡すんです」
「受け渡しに誠君が行くのはダメなの?」
黙っていた美里が口を開いた。
「お兄ちゃんと一緒に来てくれるのだったら良い、と森山さんは言ってくれます。あ、買ってくれる人は森山さん、埼玉から一時間弱かけて、電車で来てくれます」
ここまで話を聞いた健三は、美里ちゃんだけじゃなく、誠君も一緒での手渡しだったら良いと言うことがひっかかった。美里ちゃんへのストーカーなら、一人で持ってきてもらわないと困る。何故、誠君も一緒でも良いのか?
「誠君は森山さんに会ったことはあるの?」
「ないです。僕も一緒でも良いって話は今、初めて聞きました」
美里は誠を不安にさすと思って言わなかったと説明した。今は出品していないのかを聞くと、森山が怖くて出来ないと美里も誠も声
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