第2話 ページ3,4 パティシエなのにまさかのマンゴー嫌い?
い、とスタスタ歩き出した。長田は何処に行くのだろうと思う間もなく、うららの裏手に到着すると、そこに長田の愛犬ライトが居た。
健三の話によると、昨夜ライトが逃げたと聞き、うららの裏手に健三手作りの犬の餌をボウルに入れ、置いていた。鶏のささみ、キャベツ、大根を入れ白米と煮込んだ、健三オリジナルドッグフード。すりおろしたリンゴを上にトッピングしていた。
「ライト、どこ行ってたの?心配したのよ」
長田は少し涙目で愛犬ライトを抱きしめた。
「健三さん、どうしてここにライトが居ると思ったのですか?」
「長田さん、私にもライトくんがここに居る確証はなかったんですよ。昨日の話を聞いて、一緒にお買い物に来ていただいて、この場所でライトくんと良く遊んだでしょ。犬のおやつを食べ、私か母とライトくんは遊び、満足してました。長田さんのご自宅はここから徒歩6分の距離。偶発的に逃げて、帰り道に迷うか、遊びたい、お腹が空いた時にはライトくんが来るかも知れないと考えたのです。本当に来てくれてて良かった」
長田は大喜びで、健三にお礼を何度も述べた。
ライトは気にもしない様子で、健三に頭をなでられていた。
うららの定休日は毎週火曜日。月曜の午後は品出しを調整し、健三の作るスイーツも調整される。月曜日の午後の時間は、健三は新作スイーツを考える事が多い。マンゴーを使ったスイーツはないのか、とこの時期に問い合わせが多いのだが、実は健三はマンゴーが苦手。それもフルーツの中でダントツに苦手なのだった。幼いころにマンゴーの試食があり、初めて食べるマンゴーを楽しみにしていたのだが、保存が悪かったのか、生臭さが強烈だった。大人になり、何度かマンゴーを口にする機会もあったが、トラウマになっているのか、未だに好きになれない。今年の夏に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます