第39話 呪術師と魔導書
当座の武器を新調して、古代文字で
宿に戻った今でも新武器は結構なウキウキポインツを稼いでいるが、魔術書とか初めてなのでモヌゴスイ期待している。
古代語とか全然読めないんだけどさ。
最初に見た時からオーラって言うの?なんかスンゴイ親和性を感じるんよね。
何かこうやって、机の上に置いた本に直接触れないで両手で包み込むように魔力を流すと魔法的反応とかしたらメッチャ
ホラ、見てごらん?呼んでもない魂の呪術書が勝手に現れてページが開いて……え?
📖<イタダキマス
パクリ
📕<ゴッツォサン =3
え〜〜〜〜!?喰っちまった!?
📖<コレハイラン
⌒ [メモ]
📕<マゼルナキケン
……1ページ目の翻訳メモだけ返されたよ。
「って、ちょっ待てよ!」
消え去った魂の呪術書を慌てて呼び戻す。
……なんか明らかに分厚くなってね?
手にとってパラパラと読んでみると、新しいページが増え……喰われた魔術書が翻訳されてる!?マジっすか。
しかも今迄書いてあった部分も違う解釈とか補足とかも追記されてる。
📖<カツモクセヨ!
闇術編
序章:呪術と闇術
感情を編み上げた魔力を撚り合わせ縁を手繰り寄せる呪術に於いて、真名を縁で縛る事が最も強固である。
故に呪術に通ずる者は真名を秘匿する。
秘匿に長けた闇術は呪術師の好む所となり、形無き闇を自在に操る術に至る。
呪は闇に隠れ操り、闇は呪を隠し操り、渾然一体と成す。
だが無形の技は捉える事能わず。
基本の形を操り、馴染ますが無形の技への道也。
📕<キホンコソガオウギヘノミチナリ
また読み辛い文言だな……元の魔術書の影響かもね。
読み解いてみよう。
呪術から派生したとされる闇術は、秘匿を得意とする術へと独自の進化を遂げたのだろう。
もしかしたら呪術と闇術は本来別々の術だったのかも知れない。
どちらにしろ相性が良かった呪術と闇術は相乗効果により“呪術系闇術”と言う一つの高みに至った、と言う解釈で齟齬は無いだろう。
だが大事な事は今迄別々の術と認識していた闇術は本質的には同じ術だって事だ。
確かに闇の腕も
闇の腕は基本的に
なんてこった!喰らう対象が違うだけで全く同じじゃないか!
ならば今迄わざわざ使い分けてた意味は……只の手習いだったって事か。
では闇の世界は?あれだけは全くの別物……いや、存在を喰らう?それとも空間を喰らう?
待て、考察は後でもいい……少し落ち着こう。
頭の中のピースがカチリと嵌る様な感覚だ。
なんか妙な脳汁がドバドバ出てる感じがする。
まぁ理屈は分かっても実践となると別物だ。
今でも
それでも目指す高みが見えてるのは大きい。
オラ、ワクワクしてきたゾ!
あんな事や、こんな事など応用は無限だ。
後は俺の修練次第って事だな。
夢はひろがりんぐ、と浮かれながら無意味に魂の呪術書を手にとってみる。
すると表紙を見るとタイトルが変わっていた。
「リ オンの魔導書」
魔導書、差し詰め“魔を志す者を導く書”もしくは“魔へと導く書”ってトコだろうな。
しかし前触れも無しに突然喰っちまうのは勘弁して欲しい。
呪術師戸惑うっしょ。
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