第11話 呪術師と戦いの日々
相変わらず川沿いに下ってる日々。
三日前くらいから森の雰囲気がガラリと変わった、一言で言えば魔物の気配が強い。
あの独特の負の感情をコトコトと煮詰めた様なのを撒き散らす気配が多い。
闇を纏わずに散策していたら1日に何回遭遇するか分からない程だ。
野生動物の気配も相変わらずするが、魔物の気配に引きずられるのか凶暴性が増している。
下手に狩って解体でもしてようものなら何を引き寄せるか分かったものではないので、今までの備蓄量を見ながら最低限の狩りに留める。
幸いな事に夜行性の魔物は少ないらしく夜間は野生動物の気配も落ち着いたものになる。
狩りの腕が上がらないけど必要に応じて寝込みを襲わせて貰おう。
こちらの寝込みは出来るだけ高い枝にハンモックを渡して朧を纏わせて気配を消す、闇の残滓・霞で補強する事で効果を強める事が出来た。
慣れるまで中々寝付けなかったが強そうな魔物が真下を通っても気づかれなかったので大丈夫だと判断した。
と言うか割り切って睡眠を取らないと文字通り命取りだ。
そんな感じで極力遭遇を避けていたが間が悪い時だってある。
追い立てられていた野生動物が進路変更する間もなく突っ込んで来て魔物をご招待してくれたりなんかは稀に良くある。
ゴブリン程度なら問題ないのだがオークになってくると気の抜けない戦いになる。
2メーター
分厚い脂肪は物理的な攻撃を阻み、重力を味方にした打ち下ろしの攻撃は下手に受ければ武器ごと潰されかねない。
攻撃の起こりに槍を合わせて機先を制す……腕や足の軌道に穂先を突きこむ事で攻撃を躊躇わせるのだ。
特に下段の牽制は体運びそのものを止めて相手の距離を作らせないので有効だ。
意表を突いて槍の長さで身長差を埋めて鼻先に突きつけてやるだけでもかなり嫌そうな顔をする。
そうして膠着状態が続けば勝利はこちらに傾いてくる。
追う闇・朧で「
基本的に二足歩行は痛みに敏感だ、弱いと言ってもいい。
そして認識しづらい闇の腕・霞で
タイミングを見て弱めの「
疲労ってのは訓練していれば集中している状態では枷にならない。
しかし
後は気を抜かずに正中線上にある急所を突けば勝負は決まる。
そう、勝負は決まったのだが槍が壊れてしまった。
魔力を通して強化してたんだが如何せんゴブリンスピアは強度もお察しの様で、どうやら強化に耐えられなかったっぽい。
ちょっと待ちぇーて、後はマチェーテとゴブリンバットしかないぜよ。
マチェーテは藪漕ぎに使うしゴブリンバットだとこの先生きのこれない気がする……バットを改造するか。
マナカナ?マカナ?確か平たい棍棒に鋭利な石を埋め込んだ武器が思いの外強力だったって聞いたことがある、けどコイツは棍棒ってよりバットだから釘バットの方がイメージ近いかな?
なんか加工が大変そうで嫌んなるなぁ……
オーケー、妥協しよう。
適当な木の樹皮を剥いて帯状にする、尖った石を挟みながらバットに巻きつける。
巻き付けながら柔らかい樹木に叩きつけると樹皮を突き破って石の先端が頭を出す、先端が出た分緩んだ樹皮を締め直す。
これを繰り返してお手製のゴブリンバット・改の出来上がりだ。
何、しばらく保てば良いのだ……出来れば次は槍ゴブと遭遇します様に。
――――――――
祈り虚しく槍ゴブリンとは遭遇出来ずにバット・ゴブリンとの連戦になった。
そして現在の装備は石バットマークⅢとなっております。
オークとの遭遇は必死に回避したけど已む無く一戦交えた時には命懸けの戦いになった。
辛くも勝利を拾えたけど左腕が折れたっぽい、
どうやら自分の体内って言うか自分の魔力が浸透してる物なら中身も視えるみたいだ、ついでに闇の手でいじる事も出来た。
いじる言っても折れて曲がった部分を真っ直ぐにしただけだけどな……オフッて変な声が出たよ。
闇の手で固定して御祓いに菌術、魔力による身体活性化や周辺の生物(主に生命力溢れてそうな巨木)からの
いや、普通に考えたら充分早いし移動しながらだって考えれば破格なのも分かるんだけどね。
ただヒール系の魔法に比べたら時間かかるよなぁ、とは思ってしまうのでありましたとさ。
そして傷が癒えた頃、森の雰囲気が変わった。
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