第10話 呪術師と試行錯誤の日々
森の中自給自足生活30日目くらい、異世界転生におけるクオリティオブライフについて考察する日々。
生活環境はゴキゲンな程、快適です。
睡眠環境も竹と紐を組み合わせたハンモックを自作したんですけど、これが又自慢の逸品。
紐作りも凝ってみて直径5ミリくらいの細いのを作って、それを4本撚り合わせる方式に変更。
丈夫さが違うというか使い込んでも伸びにくくなって頼もしい限り。
細かい改良を繰り返して快適で昼もグッスリです。
なんせ昼も夜もパフォーマンス変わらないんで、なんだか規則的なのか不規則なのか健康的なのか不健康なのかよく分からない生活を送っております。
動物性タンパク質の捕獲は相変わらず夜間狩猟がメインですよ……本職の狩人に怒られそうだよなぁ。
そう言えば少しずつ鳥以外の獣も狩れるようになってきました。
きっかけはゴブリンを倒したら腹をすかせた狼が乱入してきたのが事の始まり。
別にゴブ肉とか要らないから静かに撤退しようとしたら、何がお気に召さなかったのか襲ってきたのよ。
予てより見直し続けて確立した戦闘プランに沿って練り上げた闇術闘法が上手いことハマって勝利を手にする事が出来た。
一度打ち勝ってみたら鹿やら兎やらもスンナリ狩れる様になってた、四足獣に対する苦手意識でもあったのかも知れないね……
闇術闘法は槍で間合いを取り、攻め込まないで防御に徹する。
追う闇・朧にて牽制しつつ本命は1本に纏めた闇の手・霞で弱体化させるスタイルだ。
膠着状態が作り出せれば時間がこちらに味方するハメ技だ。
呪術も幾つか改編してカスタムしてある。
📖<オリジナルトハナカナカヤルナ!
取り憑く闇
複数の呪術から編纂された闇術。
「追う闇」の追跡能力と「闇の残滓」の持続力を掛け合わせた事で対象に取り憑く闇を作り出す。
付与される呪いは
闇に憑かれ、闇に疲れ、無闇に藻掻けば動きは止み、やがては病みが訪れる。
📕<ヤミノカノウセイ、ムゲンノゴトク
この問題の1つの答えが
比較的難易度を低く抑えることが出来た上に効果が蓄積しやすく、気付いた時には逃げる体力も危ういという蟻地獄的な術に仕上がった。
但し複合呪術の為か闇の手からの発動以外では安定しない、今後の研鑽が求められる……がそれでも主力なのだ。
他にも「
代わりに脳の反応を僅かに速める「
けど凄くデリケートで扱いが難しく実戦投入には程遠い、何ていうか失敗と言うか暴走すると思考の一部が加速して支離滅裂になり霧散してしまうんですよ。
これも宿題ですな。
ちなみに「
感度何千倍とか出来ちゃったらジャンルが変わっちゃうからね……ざ、残念とか全然思ってないんだからねっ!
改編して出来たのは「
「
森の中生活で細かい傷を負うことも割りかし日常なんだけども、負傷部位を闇の手で圧迫止血して魔力を通して活性化させると時間は掛かるけど回復する事も確認できた。
御祓いと菌術の併用で傷口も化膿しないのでマジ助かってます。
菌術と言えばマイコニドがレギュラー化してます。
手足の生えた手のひらサイズのキノコがヒョコヒョコクルクルとコミカルな動きで目に優しく、癒しとなっております。
向けられる感情も何故か好意的で心地よい。
狩れる様になった兎や鹿の肉を熟成させたり、毛皮を鞣すために皮ぎしの肉を腐敗させたりと菌術を使う度に何処からともなく現れる。
マイコニドが手伝ってくれると心なしか成功率が高い気がするので、気持ち多めに魔力をあげると嬉しそうに飛び跳ねる……うい奴め。
興味本位で飲料水に糖蜜樹の蜜を入れたところに「
もちろんマイコニドも一緒に協力してくれてる。
糖分が発酵するとアルコールになる、つまりは酒造りだ。
酔っ払ってしまっては色々危ないので薄めになる様に念じてると甘口で微発泡のお酒になった。
多分発酵が足りないんだろうなぁ、けどコレは大きな進歩だ。
充実した食生活には酒は不可分な存在であり、酒文化の無い食文化など存在しないのだ。
それに酒ができるなら味噌や醤油にもチャレンジできる筈だ。
確か味噌・醤油は大豆と麦だったかな?豆類の発見が次の大きな課題だ。
生活も安定してきたので塩と食料を多めに確保して、下流に移動しながら生活している。
人里があるとしたら川沿いに発展すると言う読みからだ。
異世界の気候は正直謎だが冬が来るなら何時までも野営生活ってわけにはいかないからなぁ。
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