呪術師模索中
第5話 呪術師と強化
一晩明けて迎えた朝、ちょっと身体のアチコチが痛い。
睡眠環境の改善が必要だな。
熾火を起こして昨夜の残りのタケノコを炙る、美味しいけど塩味が足りないよん。
侘しい朝食を食べながら昨夜調べた事を反芻する、どうやら呪術の使い方を色々間違っていた様だ。
正確には使い方と言うより特性の理解に誤りがあったのだ。
例えば「
「
同様に闇術のドレインも継続して接触しないと効果が薄いのだ。
じゃあどうやって接触し続けるの?って言う答えがコレだ。
📖<コタエハナンジノテノナカニ
闇の腕
闇の手、見えざる手とも呼ばれる闇術。
魔力で編み上げた闇は腕を
闇の腕は呪術の腕、触れれば呪術的干渉が可能となる。
呪術の闇は
その
📕<ノゾムモノヲツカミトレ!!
どうやら闇の腕は接触系呪術の発動距離を伸ばす術らしい。
両肩の辺りから闇の腕が生えてる感じ、今のところ2メートルくらい離れてても届く。
そして呪術は洗練されてないが故に様々な改変が可能なのだ。
呪術として編まれた魔力を厄祓いと同様に解き、そして編み直す……則ち改編であり改変であると言う重ねた言霊で柔軟性を高めている。
闇の腕の場合は2本の腕を1本に纏めることで太くしたり、伸ばして4メートルくらいまで届かせる事が出来た。
正に「痒いところに手が届く」だわ。
つまり今のところは接近戦をしながら闇の手で接触、各種呪術で弱体化させるって戦い方がストロングスタイルっぽいね。
闇の手が育つとどれくらいの距離まで届く様になるかで変わってくるかもね。
そんでもって変わり種なのがこちら。
📖<ジャジャーン
闇の残滓
留まる闇、停滞する闇とも呼ばれる闇術。
込めた魔力に応じて存在し続ける闇を産み出す。
触れた者は込められた呪術に侵される。
動きは
📕<ツカイカタハアナタシダイ
その場から動かない闇を作り出す事が出来るので地雷的な使い方が出来そうだ。
要は飛ばない「追う闇」つまり「追わない闇」?大体そんな感じ。
そして闇術全般に言える事なんだけど濃淡を変えられるんだよね。
戦闘中に肩から生えた真っ黒な手で触り続けるとか難易度高くね?どうにかならんもんかね、とか思ってたら
込める魔力に関わらず調整できるので非常に便利だ。
何にしろ効果がマイルドなのが呪術、複合したり最適化したりの試行錯誤がマストなのだろう。
そう言えばバットゴブリンとの死闘の時には矢鱈と身体のキレが良かった様な気がする……纏う闇の効果なのかな?
教えて魂の呪術書♪
📖<ショウガナイニャー
魔力による強化
纏う闇に限らず魔力を通す事で強化・活性化出来ます、纏う闇の場合は表面に纏ってるだけなので強化はマイルドです。
芯から通せば強化の度合いは段違いに上がりますが、難易度も同じ様に上がります。
著しく形状が変わる物体に芯から魔力を通すのは無理難題ですし、中空の物体だとそもそも芯がありませんから無理と言うか殆ど無意味です。
📕<ムリシタッテシンパイナンカシテアゲナインダカラネッ
ほほ〜ん、なるほどねぇ……物体?
そしてバットに闇を纏わせる……って出来た〜!
コレで僅かながらも確実な強化ですよ、そして第二段階で魔力を芯から通す……通……通す!
アカン、ものっそ集中力が必要や、エセ関西弁になってしまうくらい必要や。
使いこなすのは今後の課題ダナー、けど闇を纏いしダークウェポンカッコヨス。
黒バットだけどな。
纏う闇をコントロールするとバットを包む闇の濃淡が変わる。
軽く振ってみるが日中だと淡い闇は視認しづらくなっている。
手元から途中まで濃くして暗黒一色、先端周辺を淡くして霞がかったボヤケた風なんてのも簡単に出来た。
初見殺しかも知れないけど間合いを誤魔化すのにも使えそうな予感。
ヨシ、これからは淡い闇を「
さて、ここまでは言わば前菜、ここからが本番ですよ。
深呼吸して集中、そして魔力を身体の芯から巡る様に通す……唸れ!俺のチャクラ!
なんだか身体の底から力が溢れ出す様だ……まるで人間火力発電所だ!
物体に通すよりも遥かに魔力の通りが良い、軽く素振りしてみても音からして違うし身体全体が軽い。
あちこち痛かった身体も力が漲る、活性化と言うヤツなのだろう。
これなら昨日のゴブリンも余裕で蹴散らせたのではないかと思える程の万能感だ。
しかし簡単過ぎる気もするナー、これはもしかして?
ふと思い立ち、纏う闇を解除すると途端に身体から何かが抜けてく様な喪失感に襲われる。
なるほど、纏う闇が魔力を逃がさない様に作用してくれてたのか。
適性が高い闇術のフォローは非常に有り難い、逆に修行する時には纏う闇を解除すれば効率的になるんじゃないかな。
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