第2話、婚約・・・?あれ、原作にそんな事はなかったはず

自分はそれからも修行して少しでも強くなりながら周りとの関係の改善に全力を尽くしていた。


そのおかげか少しばかりは良くなった気がするけど相変わらずに悪い噂の方が強くこのままだと死亡が確定になってしまう。


せっかくも貴族に転生したのであれば貴族らしい生活を満喫してから死にたいと考えていた。


でも自分が貴族になる可能性は非常に低いのだ。この理由として原作を知っているからであるが実の弟が滅茶苦茶に天才でありそして自分の双子の妹がメインヒロインの一人でありこちらは滅茶苦茶に人気があるのだ。


そのお陰様で自分は妹に見た目や才能など全て吸い取られた人物だと言われていた。


まあ、こればかりは自分もそう思ってしまうほどだから仕方がないかもしれないけど才能ぐらいはしっかりと分けて欲しかったかなと思いながら修行をしていた。


自分は確かに普通の人に比べたら確かに才能がある方であるけどあくまでそれまで主人公たちと戦うとあっという間に負けてしまうのは変わりはなかった。


どうすれば良いと思いながら修行をしているとノール家の当主から自分に対して大切な話があるから来るように呼ばれたので修行を中断して向かった。


そこで自分は父親からあることを言われるのだった。


「アクト、お前はもう少しで正式に我がノール家の人間ではなくなる。実はお前みたいなやつでも構わないと婚約の申込みが来たのだ。そこはアンリガーナ家、辺境地の子爵家であるが良くもお前みたいなやつでも構わないと言ったからわしは内心で笑ってしまっていたよ」


全くも見た目は滅茶苦茶にイケメンおじさんなのに中身は原作の自分に負けないほどの性格の悪さだなと思いながら聞いていた。


そして原作でもアンリガーナ家は出てくるので知っているアンリガーナ家は一人娘しかおらず女性でも当主になれるのだけどやはり不利が大きいのでその為に他の貴族の家から政略結婚なども珍しいことではなかった。


しかし、自分はここで2つの大きな不安が発生したのである。一つはこの政略結婚のイベントなど本来なら発生していないのだ。


それともう一つはこの政略結婚の相手が寄りにも寄って原作キャラの一人なのである。


名前はアンナ・アンリガーナ、ゲームだとヒロインの一人でありながらもルートによればラスボスの手前のボスで滅茶苦茶に強く下手にすればラスボスよりも強いのではないかと言われていたほどであるのだ。


実際に公式サイトで能力を比較しても中ボスなのにラスボスよりも強いというバグが公式から発表されて話題になった。


なので怒らせたらラスボスよりも強いと設定にされてしまった。実際に公式サイトで書いてあるから仕方がないかもしれないけど。


そんなヒロインであるアンナ・アンリガーナと婚約って・・・もしかして原作始まる前に死にそうなんです。


どうしたら良いのかトトノに相談すると相手から好かれるようになれば少なくても殺されるようなことはないのではありませんかと言われたけど今の自分にそんな事ができるのかと尋ねるとかなり難しいですねと言われてしまった。


全くも本当に遠慮などなしに言ってくるよなと思いながらももし、良い関係を築けたらかなり心強い味方になってくれるはずだからこれは勝負だと感じた。


それを見ているとトトノも私も頑張りますから御主人様も頑張ってくださいねと応援をされた。


仕方がないと言うよりも行くしかないのでならばと思いで向かうのだった。


そうして家の者たちに見送られて辿り着いてから二人の面談と言うべき会談を始めようとしていた。


そうして自分は目の前のアンナ・アンリガーナが原作とはかなりイメージがかけ離れているものであった。


他の人がいる前では原作通りに優しく聖女の名前に相応しい対応していたけど二人になってから急に態度を変えて話してきたのである。


「確か貴方はアクトだったかしら・・・正直に言って私は貴方に・・・興味があるけど親がとてもうるさいから素直にしてくれるかしら、そうでもしないとどうなるか分からないわよ」


いきなり脅しかけてきたのですけど滅茶苦茶に怖いですけどどうしてこんなキャラのはずがないのにと思っているとアンナは返事はと言われたので反射的にはい!と答えてしまった。


すると少しばかり嬉しそうにして今の返事を忘れないようにと言って座り込んで休み始めたので自分は恐る恐る本心はそんな感じなのですねと聞いてみるとアンナは答え始めた。


「そうね、これから苦労をかけさせるから貴方には特別に教えておいてあげるけど私は一度、やり直しているのよ・・・人生をね」


そう言ってから彼女は語り始めた、始めは原作通りに聖女みたいな性格をして主人公たちと共に色んなことを解決したり仲を深めていったけどある日に主人公は王女と結婚する事になり私は別れを告げられたと悲しそうに話していた。


このルートは王女様であるヒロインがメインヒロイン立場のルートだなと理解をしていた。しかし、恋には敗れるけど闇堕ちみたいにはならなかったはずだと考えていた。


しかし、原作は終わりを迎えても物語は終わりを迎えることではなかった。その続きを話してくれた。


「その後に私は他の貴族の家に妾として嫁いだけど十年後に捨てられてしまって実家に帰ったけど私を道具扱いをして娼館に売られてしまったのよ。笑える話でしょう、大切だと思っていた家族からそんな仕打ちをされたのよ・・・お金の為にね」


それを聞いていると本当に何も言えない気持ちになっていた。


何故ならばその気持ちは少し分かるから親に良いように扱われてしまう事に怒りなど何度も覚えているから目の前に少女であるアンナに親近感を感じてしまっていた。


そんな事を思いながら聞いていると彼女の話は歯止めなく話を続けていた。


「そして更に十年後には娼館からも追い出されて私は病に苦しみながらこの世を恨み続けて魔女になったけど・・・あの野郎の子供に殺されるなんて私は悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて・・・憎い、憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎いだからこの世界を呪う事に決めました。そうしたら過去に戻っていたと言う訳なのです」


そう言う少女は笑みを浮かべながら自分に対して教えてくれた。


そのように話した少女の事を普通の人ならば狂っていると恐怖を感じる者もいるだろうしかし、自分にはそれはなくむしろ偽りもない姿で好印象にも感じ取れたのである。


でも何故だと考えてしまった、普通ならそんな話をするはずもないのにと思っているとアンナはまるですべてを見通しているように答えた。




だって、あなたは私と同族の気配を感じたから信用出来るって言った。




どんな風に同じだと思ったのかと聞くと目つきにこの世界に対する考え方などいくつもの行動を見て自分を同じ同胞だと感じたというのだ。


だからこそ真実を打ち明けて話したのだと言うのだ。だから自分もそれに近い過去を持っていた話をするのだった。


まあ、あくまで前世での出来事になるが伝えるとアンナは狂ったように笑いながらこちらを嬉しそうに見つめていた。


それは心の底から信用できる上に共に歩む事ができる同胞を見つけ、それはまるで乾いた大地に雨が降り注いだように喜んでいた。


向こうもそれだけ喜んできたけど自分も心の底から信用できる人に出会えて嬉しいと感じていた。


そのために改めて自己紹介をするのだった。


「それでは改めて自己紹介をするけど自分はアクト・ノールだ宜しく」

「こちらこそ宜しくね、私はアンナ・アンリガーナ、アンナと呼んでほしい」


そうして自分たちはこの世界に対して呪う準備を始めようとしていたのだった。

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