悪徳貴族に転生したけど改心なんて絶対にしない!!それはそうと利用しているはずのヒロインが何かおかしい気がする

人中の蝮

第1話、始まり

アルカナ物語、一時はシナリオの良さで元々は18禁だったのに全年齢版を作られるほどに人気を誇っていた。


ゲームとしても人気が高くかなり愛される作品になり続編も期待されたけど作られることはなく次第に人気がなくなり忘れさせられた。


それでも自分はとても楽しい作品として時々、開いては楽しんでいた。


そう、いつも通りに楽しんでいたはずなのにいつの間にかに自分が知っている場所ではなくなってビルなどがなく大自然や中世の街だと思わせる場所などが広がっていた。


「全くもどの世界も空はとても青くて綺麗だな」


自分はとある原作キャラに転生してしまったらしくのんびりとしていた。それにしても思い出してから半月ほど経過したけど調べれば調べるほどに自分が知っているアルカナ物語だなと確信をしていた。


別にそこまでなら何も問題はなかった、問題なのは転生したキャラである。


そう、アルカナ物語に登場するアクト・ノールと言うこの物語に登場する悪役貴族に転生してしまった。


何で悪役に転生をさせてしまったのだろうかと悩みながらもどうすれば良いのか考えていた。


何故ならばこのままだとこのアクト・ノールはバットエンドしかないキャラであるからなんと全てのルートで死ぬと言う死の運命から逃げられないようになっており追放された先で死ぬ、主人公に殺される、ヒロインに殺されるなど存在している。


どのルートを選んでも結末は死ぬって最悪過ぎませんか。まあ、元々アクト・ノールが性格が最悪だったのでざまぁと言うところであるけどそれが待ち受けているのは冗談ではない。


自分は転生して来たのにこれではまるで養殖されている魚みたいに出荷をされて食べられるだけに産まれてきたわけではないだぞと思いながら突破口を探していた。


そうして前世の記憶が蘇ってから早一月ほど経過しても何も進歩はなかった。それなのに着実に死は迫ってきていたので徐々に焦りながらも必死に強くなりながら考えていた。


「ねえ、どうしたらこの先の人生を安定に暮らせるかとか君の方から何か提案はないかな」

「そうですね、普通にこのままでしたら間違いなく殺されますね。運が良くて追放という所でしょうか」

「相変わらずに厳しい意見だな、トトノ。でも確かにそうだよな。だからこそ何か打開策はないか」

「そうですね、今世は諦めて来世に賭けてみては如何でしょうか」

「それでは意味がないでしょう!!」


そうして話しているのはトトノ、自分の家で働いているメイドで自分が幼い時に死にかけであった彼女を救って雇っている状況でありその為に信用して相談をしていた。


何か優秀なのは間違いはないのだけど遠慮がないというのが欠点であるけど古い付き合いをしているのでもう気にしないでいた。


外でお茶を飲みながら菓子など食べてゆっくりと休んでいた。本当に貴族の生活は素晴らしいと感じていた。


できる事ならば普通に過ごして物語には極力に関わりたくはないよなと考えていたけど3年後に控えている王立アルカナ魔法学園に入学しないのは貴族としてこれ以上もない侮辱と言われているので入るしかなかった。


でも入ったら死亡ルートばかりの学園で3年間、過ごさないといけないだよな・・・行きたくない。


できる事ならば地方に飛ばされて地方貴族として仕事をして残りの時間をダラダラと過ごしたいなと思っていた。


そうしてどこか良さそうな女性と出会って結婚して平和に暮らしたいと考えていた。


それをメイドのトトノに伝えると野心の欠片もない夢ですねと笑われた。


自分は別に良いだろうと言うとトトノは確かに前に話していたすべての貴族の娘をハーレムにするぞと言うよりはマシですけどねと言われた。


まあ、それは前世の記憶が戻る前に考えもなしで言ったことだから気にしないでほしいと感じていた。


ともかく年齢は12歳なのにすでに悪名は広まってしまっているぐらいだからどうにかしないと自分の運命は終わってしまう。


タイムリミットは後3年間しかないのに対策が何もないとはこれは終わってないと思っているとトトノが完全に終わっていますねと言われた。


だから表情で何を考えているか当てて来るな!と言ってから何が良いかと考えているとトトノから一つの提案を出された。


「なら今からでもあんまり関わりがない貴族たちと仲良くして評判を高めてみるのは如何でしょうか。そうすれば少なくても背後から襲われるという心配はなくなりますよ」

「逆に言えばそうでもしないと背後から襲われる可能性が高いという訳か・・・何か考えるだけで悲しくなってくるな」

「しかし仕方がないことだと思いますよ。今までの行いを思い出せば当たり前だと思いますよ。むしろ何で背後から襲われないと思っているのですか、御主人様」


まあ、そうだよなとしか言えないわ。前世でこのキャラマジで途中でいなくなって欲しいと思っていたらマジでいなくなって嬉しかったからな。


普通に考えて自分がいなくなれば少なくても周りは喜ぶからなと考えると嫌になってくるな。


それでも行動に移さないと間違いなく自分の運命は終わってしまうので頑張ることにした。


それとトトノに対して自分はこれ以上に強くなれるかと尋ねると正直に言って難しいですねと言われてしまった。


これは分かっていたことだけどやはり辛いなと思いながらも今日も明るい未来にさせる為に頑張るのだった。

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