第16話 ごめんね

暗闇の中、黒い影が二つ現れる。


片方は山羊の悪魔、もう片方はカラスの悪魔。


沈黙の中、片方が言の葉を発した。


「こんな時間に私を呼び出すとは何事だ」


「何事は私のセリフよ、ベータ」


「何がだ」


「悪魔。のお偉い方の間で問題になっているのよ、貴方の大虐殺悪魔殺しが」


「我らは人間とは違って同族を殺しても良いはずだが?」


「貴方の場合は殺した数あ多すぎて度が過ぎるの、しかも理由は誘拐した人間の子を独占する為なんて」


「今すぐ、人間の子を返してきなさい、そして今回のことを悔い改めるの。

今ならまだ間に合うわ、貴方は血迷っているだけ、あの子にとってもその方がいいに決まってるわ。お願い私を信じて」


必死に諭す彼女にベータはフッと笑い


「私がそうすると思うか?彼女は私の救いだ」


「そして唯一愛せる者だ、代わりなんて無い…絵萌を離すものか」


と答える。彼女の言葉は届かなかった。


「私は私達を裂くものには容赦はしない…たとえお前であってもな、次は無い」


そう言い彼はその場を後にする。


残された彼女は呟く。


「ごめんね…母様がそばにいてあげられたらこんなことには…」


彼の背中を見つめる彼女の目からは雫が流れた。




〜〜〜〜

ベータは自分の住処に到着し、スヤスヤと気持ちよさそうに眠る彼女を見て安堵した。


_結界は上手く作動しているようだ。


_しかし、彼奴の話を聞く限りこの場所も危険になるだろう。


_絶対に彼女は渡さない。渡すぐらいなら二人で…いやそれはまだ考えなくていい。


_何があっても私達は一緒だ。絵萌。


彼は眠ってる彼女の頬を優しく撫でる。


二人の旅立ちの時は近い。


            To Be Continued

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