第13話 もう傷つけさせない

ベータは部屋を出て、ある目的地に向かう。


そして到着するとそこには先ほど絵萌を苦しめたであろう母親の"生霊ファントム"がいた。


「来ると思ってたわ」


「嗚呼」


ベータの声色は落ち着いていたが、彼は憎き邪魔者を睨んでいた。


「私を消しても現実世界の本体は死なないわよ」


「知っている、それに現実世界の絵萌の母親がどうなろうとどうでもいい」


「じゃあ」


「だがこの世界に干渉でき、絵萌を苦しめるお前は別だ」


「え?」


ベータはその大きな手で生霊の首を掴む。


そしてその手に力を入れる。


「ぐっ」


生霊は苦しそうにもがく。


「お前の間違いは絵萌を傷つけたこと、そして私達の邪魔をした」


「だから、邪魔者は消さないとなァ」


彼はこれまでにない怒りのこもった声を出す。


「いつか…あん、た達に…天罰、が…下るわ、よっ…」


そう言い残して生霊は消えた。


「果たして、天罰は私達を分つ事はできるかな」


とベータは邪悪な笑みで呟く。


_どんな事があろうと私と絵萌を引き裂かせない。


_彼女と一緒にいれるなら、いくらでも手を汚すさ。


きっと誰にも彼らは引き裂けない。


きっとベータが捻じ曲げてしまうだろうから。


彼らは依存しあってる。


周りから見れば狂っているが、彼らは幸せなのだ。


これが二人にとっての"愛"だから。


            To Be Continued

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る