第9話

「行ってくる、良い子で待ってろよ」


と私に口付けをする。


今日もベータは出かけるようだ。


こうしていつも通り私は彼を見送る。


いつもこの時間から寂しくなってしまう。


ベータにはやるべき事があるのは分かっている。でももっと一緒にいれたらと思ってしまう。


「あ、そうだ」


「どうしたの」


「目を瞑ってろ」


髪の毛に櫛のようなものが付けられる感覚を感じる。


「プレゼントだ、後で鏡で見てみろ」


「あ、うん」


「じゃあ行ってくる」


彼は出かけていった。


私は鏡の前に立つ。


私の頭には白い花の髪飾りが付いていた。


「きれい…」


ベータが選んでくれたのだとしたら嬉しいな。


そう思い微笑んだ。


何だかこれを付けてるとベータがそばにいる感じがして安心する。


ベータは私のことを大事にしてくれる唯一の存在。


もう私は彼以外なにもいらない。


彼に愛されればそれで良いのだ。


それが私の幸せだから。


ルーであろうと誰であろうと邪魔する奴は許さない。


だからね、ルー。いや…ルカ。


「邪魔するなら殺すよ?」


「絵萌…いや姉さん…どうして」


ルカは絶望した顔でこちらを見る。


正体が分かってそっち側に行くとでも思っていたのだろうか。本当に馬鹿らしい。


もう決着をつけよう。


弟、いいや邪魔者と。


            To Be Continued

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る