第4話 幸せだね
「じゃあ行ってくる、例の合図のノックじゃなかったら開けるなよ」
朝になり、いつも通り出かける彼。
でもいつもと違うことがある。
「わかった、行ってらしゃい、ベータ」チュ
といつもの言葉と一緒に口付けをするのだ。
そう私達は恋人になったのだ。
私は、彼を見送った後、考えた。
私は、前の世界では孤独だった。
誰も愛してくれない。それどころか軽蔑の眼差しで私を虐げた。昔の私はそれが当たり前だった。
でもそれは過去のこと。
私は、ベータに愛され、満たされている。
だから幸せだ。
「さて、お絵描きでもしようかな」
〜〜
ベータは、肉の塊になった昨晩の侵入者の前にいた。
やったのはベータである。
彼は許せなかったのだ。せっかく手に入れた愛しい彼女を犯そうとし、しかも彼女のトラウマを掘り起こしたことが。
彼は考えた。きっとこれからも絵萌を狙う輩は現れるだろう。ならば少しずつ消していってしまおう…と。
「絵萌は私のものだ、奪う奴は容赦しない」
そう彼は呟いた。
彼が帰ってきた。
「ただいま」
「おかえり」
と言葉を交わし、私たちは深いキスをする。
「んっ」
クチュクチュと彼の舌が私の口を弄ぶ。
私はこの感覚に溺れる。
ずっと、毎日こうしていたい。
それが私の願いだ。
To Be Continued
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