第15話 強襲
大変お待たせして申し訳ありません。更新再開いたします。
2章終わる頃には満足して終われるかと思いますので、そこまで読んでいただけますと嬉しいです。
◆◇◆◇◆
轟音とともに砦の城壁全体が震えた。そんなことを思っているとまた、何かが城壁に向かって飛んできたのが見えた。
「丸太だ!!モンスターが丸太を投げているぞ!」
どこからか、そんな声が消えた。城壁の下を見ると肌が黒く人の三倍はあろうかという体躯の牛の顔をした化け物が細長い丸太を城壁に向かって投げようとしているのが見えた。
そいつは助走をとり、腕をめいいっぱい振りかぶり、地面が揺れんばかりに踏み込み城壁へと投げつけた。城壁へと投げつけられ、その丸太はひどい揺れと轟音とともに城壁に刺さったのだ。
「ミノタウロスだ。。。でもなんでだ。この森にはいないはずなのに。。。」
どうやらやつはミノタウロスというらしい。ミノタウロスは一体ではなく3体おり、砦の真ん中と左右の三箇所にそれぞれが丸太を投げつけているのが見えた。その度に何度も砦が揺れた。
「ミノタウロスをこれ以上好きにさせるな!!矢をうちこめ!!」
魔法や矢がミノタウロスに向けて放たれるが、ミノタウロスは斧に持ち変えて大きく振り抜きそれらを凌いだ。ミノタウロスたちは号令をかけるがごとく、雄叫びをあげた。
『『『ヴモォーーーーーー!!!』』』
すると、今まで城壁を登ることができなかった奴らが動き出した。顔が豚に近く体躯も大きいオーク、同じく体躯が大きく黒赤い表皮のオーガが一斉に城壁に走り出したのだ。やつらは城壁に投げられ込んでいる丸太という杭に手をかけて登り出したのだ。
「シュバルツ兵はオーク、オーガの対処に集中せよ!!その他はスケルトン、ゴブリンに集中せよ!!」
シュバルツが砦全体に響き渡る兵でそのように指示をだした。もはや、そのように対処するしかないだろう。てか、私はシュバルツ兵扱いだろうか。わからん。
しかし、敵にまんまとしてやられた。夜明けとともに息を合わせた足場の確保。そして、その衝撃と爆音による混乱の中でのオーガとオークの急襲。今の流れは敵にあるといえるだろう。
唯一の救いはミノタウロスの丸太の足場作成が止まったことだ。おそらく、手持ちの斧で確保したのだろうが、用意した丸太がもはやなくなったのだろう。
ちなみに、今の私は砦の右側に配置されている。バランスを考慮して夜明けとともに再配置されたのだ。配置としては、中央にシュバルツ団長、左に砦の責任者であったアルキス兵士長が配置されることとなった。このアルキス兵士長は水刃流の使い手で、砦がなんとか耐えていたのもこの人の力が大きいらしい。
そして、次の実力者がトール先生であったというわけで、トール先生を右側に配置したいということであった。そこで、護衛対象である自分も自動的に配置された。もちろん、右側の指揮官は別にいるが。
ちなみに、周りの兵士はシュバルツ団長が気を使ってくれて、連携の取れていた兵士たちが配備されることとなった。
「「来るぞ!!坊主!!!」」
そう、配備されたのは坊主呼びの兵士たちである。
そうこうしているうちに、目前にまでオークやオーガが砦の上に上がってきた。上からみるより、でかい。周りの大人の兵士たちよりも、ひと回りもふた回りも大きく、精鋭に対処するように指示が出たのは納得である。
「オーク共に拠点を作らせるな!即刻つぶせ!!」
右側を担当する指揮官からそのような指示がでた。オークやオーガに城壁の上で好き勝手されるなんて悪夢でしかない。というのも、至る所から登ってくるゴブリンやスケルトンを相手する一般兵に被害が出かねないからだ。
オーク共を囲んで対処しようとするが、大きく振りかぶる棍棒に近づくに近づけない。そうこうしているうちに、また一体、また一体と登ってくる。
「調子に乗るな!豚どもが!」
トールが棍棒を身を低くして避けて、オークの懐に入り込み、瞬時に首をはねた。血を吹き上げながら、オークは後ろへと倒れ込んだ。
それを機に、尻込みしていたシュバルツ兵もトールほど鮮やかとは言えないが対応を始めた。ふと、気付いたのだが、オークやオーガの攻撃はたしかに重く脅威ではあるが、振りが大きい分、隙が大きいことが見て取れた。
私もそんなオークやオーガを相手すべくシュバルツ兵の間に割って入ることとした。
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伏線回収は20話以降を予定しております。
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