第7話 3大剣術とは??
トール先生にやっと剣術の型を教えてもらえることとなった。なんか、最近のトールさんはどこか諦めたような顔をしている。なにか不満があるのだろうか。剣術には3大流派なるものがあり、真道流、水刃流、黒陰流だ。
真道流は速さを求めた件でその速さが特徴的だ。抜刀術などもあり、その速さで相手を翻弄する剣術らしい。
水刃流は名の通り受け流す剣らしい。受け流して相手の隙を作り出し攻撃を行うらしい。かなり忍耐の必要な剣術らしい。
最後に黒陰流だが、全く名前から想像できないが不規則な動きを得意として時には隙を作って攻撃する剣術らしい。水刃流と似ているが、魔力運用からして全く異なる流派らしい。
ちなみに、真道流に対抗してできたのが流水流と黒陰流らしい。両者は速さに対抗するために生まれたというわけだ。そのため、真道流に敵対心が強いらし。
ちなみにトール先生が教えてくれるのは真道流ということらしい。ちょっと合点がいった。だって、めっちゃ速かったもん。真道流はその速さを作り出すために独自の魔力運用があるとのことだ。まずはそれを教えて貰うこととなった。
真道流は速さを出すために瞬間的に爆発的な出力の魔力を求められるらしい。そのため、比較的魔力の少ない平民でも習得できれば武器となるとのことだ。その出力には才能と努力が関係してくるそうだが、、デメリットとしては魔力の消費が比較的他の剣術に比べて多いことらしい。しかし、速さは魅力的であることから一番の王道剣術らしいのだ。
しかし、ライルの体は魔力量は多いとのことなので合っているだろうとのことだ。爆発的な魔力の出力は身体強化をはじめとした無属性魔法にも応用できるらしい。
まず、基本である真向切りをならっているのだが、全く上手くいかない。どうやら早く振れれば、瞬間的な魔力を出したということらしい。
しかし、そもそも魔力なんて前世になかったものを扱うのは一苦労なのだ。なのに出力とか言われてもよくわからない。結局よくわからないまま終わってしまった。
他にも歩法やら何やらもあるらしいけど、出力出す練習をしないと始まらないらしいのだ。
しょうがないのでルイス先生に助けを求めることとなった。魔術の先生に魔力のことは助けを求めるのが一番だろうと思ったからだ。
魔術でも爆発的な出力を求められることがあるらしく、どうやら2つの要因があるようだ。
「まず、一つは魔力回路が細いこと、もう一つは単純に出力が弱いことが考えられてるのです。今まで魔術を使って来なかった弊害だと思うのです。出力は押し出すイメージを強めて繰り返し練習するしかないです。だけど、魔力回路が細いことは対応策がないことはないのです。」
「対応策があるのでしたらぜひ教えていただきたい。一分1秒が惜しいのです。」
「魔力回路を拡張するためには他の魔力出力が多い魔術師に拡張して貰う方法があるのです。しかし、拡張に伴って激痛が伴い、最悪の場合体が耐えきれず魔力回路がボロボロになってしまうのです。まあ、私ならきっと大丈夫なのです!」
なにそれ怖い。正直に言ってそんなリスクを負うのは嫌だ。強くなるために博打を討つようなものだ。しかし、時間がなく、普通の方法では間に合わないだろう。仕方なくお願いすることにした。そもそも、凡人が強くなるためには時に危険を冒さなければならないだろうと思う。そう思うことにした。
「それでもよろしくお願いします。強くなりたいのです。ルイス先生に責任が及ばないように一筆書きますので。」
ルイスとしても、領主の息子を殺すというのは人生を棒に振るような行為だ。なかなかに難しい選択だろう。と思ったがニヤリと笑い、ジュルリと音を出しながら
「そんなにも私を信頼してくださっているのですね。安心してください。何もかも私に体を委ねてください。」
表情が崩し、身をよじらせるルイス先生に悪寒が走るが、早速母様に許可をとり拡張をして貰うことにした。でも、やっぱり他の人に頼もうかと悩んでしまった私は悪くないだろう。
そして、難色を示されたがなんとか母様に許可を取ってすぐに、ルイス先生が私の手を取って魔力回路の拡張をした。あまりの痛みに情けない悲鳴を上げながら、鼻水も涙もグチョグチョだ。どのくらいの時間かわからないけどあの痛みは永遠に感じた。
そんな私を見て、恍惚とした表情を浮かべるルイス先生を見て、やっぱり違う人に頼めば良かったと思いながら意識がとだえるのだった。
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