大日本帝国、アラスカを購入して無双する

 本作のために始めた後書き集なので、たくさん書きたい。しかし、何から書いていいか分からないので、順序がおかしいかもしれないが、ご容赦願いたい。


 まずは「アラスカ購入」について。史実では1867年にアメリカがロシアから購入している。これは偶然にも大政奉還と同じ年なのだ。これは面白いというのが始まりだった。なぜ、「アラスカ購入」に行き着いたかは、覚えていない。肝心なところを覚えていない。申し訳ない。


 歴史ジャンルではほとんどが戦国時代を舞台にしている。しかし、「アラスカ購入」も大きなターニングポイントだと感じた。ゆえに、本作を執筆することにした。


 他にも理由がある。作者の戦国時代の知識は学校の歴史レベルである。歴史ジャンル上位の作品の応援コメントを見ると、マニアによって「これは地理的に無理だ」などのコメントがある。作者はこれには耐えられそうもない。


 さて、「アラスカ購入」を話に絡めるところまで決まった。日本が購入するには、資金が足りない。幕末は財政が苦しかったためだ。そうならば、いっそ開国の時期を早めれば、というとんでもない設定にした。これにより、突っ込みコメントは無くなった。


 歴史ジャンルは制約が多い。転生して歴史改変するにしても、「なぜ、こんなにも主人公は歴史に詳しいのか?」という問いに対する答えは「歴史好きだから」というものが多い。しかし、歴史好きならば、「ここのこれこれという場面はおかしい」と突っ込まれる未来が見えている。主人公が歴史好きではないにしても、作者自身への突っ込みが待ち構えている。どちらにせよ、徹底した下準備が必要になる。


 登場人物に関してはある程度史実を元にしている。例えば西郷隆盛が陸軍元帥のポジションにあったなどである。詳細は後半に書いている。


 1867年を軸にして話を進めるとして、問題なのは誰を主人公やサブキャラに設定するかだった。ここは読者の皆さんに馴染みのある人物が良いと考えた。無理に当時の人物で話を進めると、読者を置いてきぼりにするからだ。それに、作者自身、頭がこんがらがる。本来であれば、坂本龍馬は登場しない予定だった。坂本龍馬の登場は作者の父親がファンなのも影響している。


 さて、重要なタイトルだが初めて長文タイトル方式を採用している。こうしないと、どういう内容か分からないからだ。タイトルをつけるところまでは、上手くいった。しかし、「無双する」という言葉に苦しみながら執筆した。大日本帝国は負けてはならないのである。負けた瞬間、読者は離脱する。では、どうやって無双するか。これは執筆しながら考えた。かなり計画性がない。


 本作は当時の発明や出来事をベースに書いているので、史実による部分が多い。ただし、これを鵜呑みにしてはいけない。そこで、後半部分に実際の年号と出来事を列挙している。あくまでも、Wikipediaが参考資料のため、絶対正しい訳ではない。


 最初は長編にしようと考えていたが、圧倒的に文字数が足りない。ダラダラ続けるよりは綺麗に終わらせたく、結局中編になった。後悔はしていない。


 本作の終わり方は賛否両論かと思う。どちらかというと「否」という意見が多いかもしへない。「無双する」と言いながら、最後は外交的に世界征服をしているからだ。


 この結末には理由がある。大日本帝国が世界の国全部と戦うのでは無駄に長くなると考えた。作者、読者共にどこの国がどこを領土にしているか把握できない。だが、ラストシーンは最初から決めていた。


 また、プロットが大雑把だったのも理由の一つ。ここまでヒットするとは思っていなかった。「アラスカを購入して、どのように守るか楽しみ」という応援コメントをもらい「あ、そこまで考えていなかった」となった。これは2話目のことである。初期からすでに作り上げていたプロットから逸脱していたのだ。しかし、最初からプロット通りに進むことは稀だと思う。どこかで「このアイデア閃いた」となるからだ。


 プロット通りに進まないのも創作の楽しみの一つだと思う。面白いアイデアを思いついたら無理のない程度に入れ込むのはアリだと思う。


 他に思い出しがあれば、順次追記する。ここからは登場人物や歴史の年表になる。読まなくても支障はない。


 10点満点なら10点。作者がやりたい放題しつつも、高評価だったからである。ただし、代表作には設定しない。あくまでも私の中では『ロボット三原則に従えば』が一番好きだからだ。


追記

 「フランス革命はどうなったのですか」という指摘をいただいた。完全に失念していた。フランス革命が成功していれば、貴族に人質の価値はない。そこは本作お得意のご都合主義ということでご勘弁願いたい。


 完結時点で、★ 187、ブックマーク460、PVは5万3千だ。作者初めてのヒット作である。



登場人物

明治天皇……1867年時点で15才。史実通り

伊藤博文……1885年に首相に

西郷隆盛……1872年に陸軍元帥に

大久保利通……1871年に大蔵卿に(財務大臣)

勝海舟、坂本龍馬は完全にフィクション


歴史

1846年アメリカメキシコ戦争

1848年カリフォルニアでゴールドラッシュ

1860年アイダホ州で金鉱発見

1867年アラスカ購入

カナダ、自治権を獲得

ダイナマイトの特許申請

パリ万博

1869年アメリカ大陸横断鉄道

1872年富岡製糸場

1873年世界恐慌(1873)

→ドイツ銀貨を製造中止が原因の1つ

1884年全自動式機関銃の登場

1891年濃尾地震

1896年アラスカで石油発見

カナダでゴールドラッシュ

1902年日英同盟

1933年核爆弾の理論確立

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