ロボット三原則に従えば

 カクヨムコン9に参加し、唯一読者選考を突破した作品(もちろん、落選している)。


 タイトル通り「ロボット三原則」を扱っている。これは当時読んでいたアイザック・アシモフの『われはロボット』に影響を受けている。これを読まなければ、そもそも「ロボット三原則」を思い出すことはなかった。


 本作では「トロッコ問題」という、思考実験の一つを「ロボットなら、どうするか?」をテーマにしている。では、なぜトロッコ問題なのか。これも単純に『100の思考実験』という作品を読んでいたことが大きい。つまり、偶然の産物なのだ。まったく違うジャンルを読むことで、作品を書くヒントになる場合も多い。


 これを書いたのは12月6日。すでにカクヨムコン9は始まっていた。「これはスタートダッシュに失敗した」と思ったものの、ひとまず投稿。構想から数日のことだった。なので、かなり荒削りだ。応援コメントにはないが「もう少しロボットと主人公の描写があれば、なおよかった」と感想をもらった。建設的な意見だ。しかし、作者は「超ショートショートしか書けない」ので、これは仕方がないかもしれない。描写が苦手なのもある。


 応援コメントにいただいた感想としては大きく2種類ある。


 1つ目は「ロボット三原則というSFの古典要素を用いつつも、初心者にも分かりやすい」という感想。2つ目は「自らを犠牲にしたロボットの勇姿に感動した」というものだ。


 話をトロッコ問題に戻そう。この思考実験には正解はない。人それぞれ、答えが違う。また、今回は人数が少ない方を優秀な人材にしている。


 主人の命令に従わなくてはならない。これがロボット三原則の第二条。それより優先されるのが第一条。人間の命を守らねばならない。本作ではどちらを選んでも、人間が犠牲になる。ロボットに決断はできない。そこで、自らを犠牲にしてトロッコを止めるという選択をとっている。「ロボット三原則」に従えば、これが最適解だと作者は考えている。人によっては違う解を選ぶかもしれない。ゆえに、キャッチコピーは「どう受け取るかは、あなた次第」なのだ。


 本作はカクヨムコンテストの読者選考後も徐々に評価を伸ばしている。代表作に設定しているのが大きいだろう。ただ、代表作だからといって、必ずしも評価されるとは限らない。評価が上がるのは、本作が認められていることを示しており、作者としても嬉しい。現在★191ともうすぐ一つの区切りになる。


 代表作の設定は手動にしている。PVやブックマークの数ならば『大日本帝国、アラスカを購入して無双する』の方が成功と言えるかもしれない。ただ、作者としては代表作は本作を設定したい。それだけ思い入れが強い作品である。


 10点満点なら、9点あるいは10点かもしれない。

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