第4話 休息

あの日から数日、俺はリリーナ中佐から色々な検査を受けた。血液検査や尿検査だとか。

これで俺の魔法が分かると言っていた。もしこれが神から貰ったチートスキルだとしたら、神は相当なクソ野郎だな。



そして俺は一時的な休暇を貰った。というかリリーナ中佐には頭が上がらない。あの人が俺のことを助けてくれて、病院まで連れてくれたらしい。今度何か菓子類とか送ったほうがいいのだろうか...?


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「家に帰るなんて久しぶりだな...」


休暇を貰って、一度家に帰ることにしたが、正直休む事が理由ではない。ソルーシャ隊長、いやおばあちゃんが亡くなった事を言わなければならない。


あの時力が覚醒したら助かったのに...何故あの時になって...クソ...


「はぁ....」

とにかく、今は伝えなければ。


ドアを叩き、家族が迎えてくれる事を祈る。その間の俺はずっと心臓がバクバクしている。結構久々なせいか、かなり緊張する。


「はい?...ってレイン?」

「あ...ただいま、母さん。」


お互いに沈黙が過ぎる。俺は気まずくて下を向いていたが、母が気になって顔を見たが、目がうるうるしていて...これはまずい!


「レイーーーーン!!!心配したのよお母さんはぁぁぁ!!!」

「うぉっ、ちょっと母さん...!」


昔からの母の悪い癖だ。嬉しくなるとすぐ抱きついてくる。俺が小学校、中学を卒業した時もこれだった。勢いが強すぎて少しよろめいてしまったし、周りの人たちもめちゃくちゃガン見してる...


「とりあえず、家に入らせて」

「そうだね、よーし!お母さん今日はたっっくさんご飯作るからね!!」


戦場のドス黒い、真っ暗な色ではなく、太陽のように輝いている母は俺に安心感を与え、同時にやりづらさを感じてしまった。


あの事を、言わなければ...

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「ようやく帰って来たかレイン、手紙を送れなかったのか?」

「それは、ここ最近忙しくて...」

「仕方ないわよ、何せ軍隊に入ってるのだから。大丈夫?いじめとか、友達とか作れてる?」

「大丈夫だよ、ミリスもいるし」


どこも不思議ではない仲良し家族との話し合い。だが、俺はこの空気を破壊しないといけない...


「その...母さん、父さん。」

「どうしたの?」


言え、言わなければ....言うしかないんだ。


「ソルーシャ隊長が...おばあちゃんが...死んだ」


2人は信じられないような目で見てくる。そうだろう、おばあちゃんは実際強かったんだ。


何より、死んだ外因は俺が作ってしまった。


「俺...おばあちゃんに...守ってもらったんだ。こんな俺を...命を捨ててまで...」


ああ、なんでこんなに涙が出てくる。お前のせいなのに。



「レイン、それはお前のせいじゃない」

...はぁ?


「俺は戦場に行ってないから何も言えないが、ソルーシャはきっと、お前がそんな事を言うのは望んでいないぞ」


「だって...だって俺が!!」


「レイン、そんな風に考えないで。僕のせい、僕のせいって考えてたら身が持たないわよ。

もしそれがあなたのせいでも、それをずっと引きずってちゃだめなの」


「ゔっ...くっ...」


俺...おれは...


「今はただ、ソルーシャさんに感謝しないと。」



その日は、ずっと泣いた。あの地獄から少しの間解放されたのもあるが、なにより家族のあたたかさが、身に染みた。

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「うぅ〜む、考えれば考える程わからんな」


彼に一通り血や尿を貰って検査してみたけど、これが不思議すぎる。


まず根本的な話をすれば、魔法にはそれぞれ得意、不得意がある。それを検知するためには血液や尿を使ったりする。そしてその中には魔力がこもっている。それを検知して、自分の得意、不得意が分かる。


だがこれは資料を見比べしてみたが...何処にも前例が無い。私の予想は...少し吹き飛んでいるが多分...


「全ての魔法に適正がある...?」


バカバカしいと思うが、彼の魔法を見た人から聞いたが、回復魔法を使えたらしい。しかも足をだぞ?


一通りの魔法は軍で習うが、切り落とされた足を完全に治すなんてほとんどは不可能に近い。訓練すれば出来るだろうが、それをまだ戦いに参加したての新兵が?


「全く...神の子って言われても、私は信じるね...」


まさに才能の塊、もしかすれば彼はとんでもない存在になるだろう。


「まぁ、とにかく彼は私の所で保護するか」


ぐちゃぐちゃになった机からミルクを取り、一つの資料に目を通す。


「ミルキー・レイン。君はどうゆう存在だ?」


彼女の頭にさまざまな仮説が思いつくが、どの仮説もきっと合っていないだろうと思い、

ぐちゃぐちゃのシーツで、ボロボロになったソファーで死ぬように寝た。

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