第7話

俺とムウさんが、ビレージエリアの船着き場辺りに着くとちょうど目的の人物と遭遇した。


「あ、クォ」

「ムギが活動しているのは珍しいね」

「パパ達が釣りに行くらしい…私は、ボートでお昼寝する」


ムギは、いつも通りの眠そうな糸目で俺にそう言った。

うん、いつも通りの彼女だな。


「こんにちは、ムギちゃん」

「あ、ムウママ。こんにちわ」


眠たそうな眼でムギがムウさんに言う。

ムギにとって、ムウさんも「母」なんだと分かる。

それは、俺達の関係性に由来する。

俺、ミヤ・シズ・ムギの4人は運命共同体だ。


「ムギ?この方は?」


ムギの背後から、女性の声が聞こえた。

彼女の母親だった。


「ママ…ムウママだよ」


そう言われても、彼女は分からない為首を傾げている。


「クオさん、あとは私達で話しておくからお仕事に戻って」

「じゃあ、俺はこれで行きますね」


僕は、ムウさんを残して仕事に戻ることにした。



その日の就業後。

俺達4人は、ビレージのコテージへとやってきていた。

そんな俺達の前には、それぞれの親たちが座っている。

俺の両親はいない。

この世界には、いないから。


「なるほど、ムギ以外にも番がいると」


そう、番だ。

俺達は、連理の枝…比翼連理の鳥だ。

俺の運命の糸に彼女たちの運命の糸が絡まっている。

この世界の迷い込んだ時。

俺達の運命は絡まった。

思考は、過去へと戻る。


---------------------

次回からは、過去編へ

クオが、同異世界転移した日へ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る