第7話 出会い

朝起きて一番に(と言っても既に11時近くなっていたので、もうすぐお昼だったけれど)、窓を開けると外は快晴だった。

スマホで空の写真を撮って、写真投稿アプリにアップしてから、階下に下りた。



「おはよー」


リビングにいた光輝に声をかけると、あきれた顔をされる。


「11時はもう朝じゃない」

「久しぶりにたくさん寝たぁ」

「空夏はいつも起きるのが遅いよ」

「光輝が早起きなんだよ。今日はナイターだからバイトも5時までに行けばいいし」

「オープン戦でナイターってレアだよな」

「そうだね」

「佐久間のダチも、ナイターだから部活終わってから来れるって喜んでたらしい。野球の後に野球かぁ」

「好きなんだね」

「春のセンバツも近いし、毎日練習漬けなんだろーなぁ」


光輝が野球の話をする時、何て言ったらいいのか、未だにわからない。

どんなふうに自分の中で折り合いをつけているのかもわからない。


「パジャマくらい着替えて下りてきたら?」

「これ、ルームウェアだってば!」

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