第6話 日常4

「ただいまー」

「お帰り。あら、空夏ちゃんも一緒だったの?」

「すぐそこで会いました」

「腹減った」

「はいはい。空夏ちゃんは食べて帰るって言ってたよね?」

「空夏のやつ酒飲んでる」

「20歳超えてるんだからいいじゃない」

「ほらぁ、おばさんだっていいって」

「でも、飲み過ぎないでよぉ」

「気をつけます!」

「お風呂、入っちゃって」

「はーい」

「あ! 空夏、後で英語わかんないとこ教えて!」

「いいよ」



中3の時に母親を亡くして以来、高1から母の妹にあたる叔母の家に居候させてもらっている。

叔母はシングルマザーで、この家には叔母とその子供の光輝、わたしの3人で暮らしている。

父はずっと海外にいて、ほとんど日本に帰って来ることはない。ずっと離れて暮らしているけれど、父がわたしのためを思って、わたしを日本においておきたい理由を知っている。だから今はそれを受け入れている。

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