第4話 日常2

9時前に店を出て、凛とはバス停で別れると、小春とわたしはJRに乗るために、駅の改札に向かって2人で歩いた。


「空さぁ、あれはないわ」

「何?」

「看護師になろうと思った理由。本当はテレビの影響なんかじゃないでしょ? ああいう嘘はよくないよ。凛だってテンション下がってたし。誤解される」

「それでいいよ」

「いいの? 空は、授業も演習も、真剣さが違うじゃん。いろいろ言いたくないみたいだから聞かないけどさ」

「わかってくれる人が1人でもいてくれたらそれでいい」

「はぁ、もう、その性格なんとかしてよ。まぁ、わたしはそんな空が好きなんだけどね」


こんな時、海外ならハグするとこだけど、日本では、こんな人の多い往来ではなかなかできないから言葉にする。


「心配してくれてありがとう! 小春ちゃん大好き!」

「もぉ、恥ずかしいなぁ」


そう言いながらも小春は嬉しそうに笑っていた。

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