第18話

「まぢ、すいません」

「ふんっ」


顔面陥没するぐらいひどいことされた。ヒドい

いや、さすがに俺も女子の純白見たのこれが初めてだけど顔面陥没されるまで殴れられるとは思わなんだ

今はなぜか成り行きで一緒に帰宅するところで下駄箱にいる


「あの~まだ怒ってます?」

「もう怒ってないわ」


声が怒ってるんですが?

日本人は声色でも色々と意識しちゃう人種なんだよ?怖いんだよ?


「まあもういいわ、早く行くわよ」

「仰せのままに」

「やめなさいそれ」

「ハイ」




ーーーーーーーー


図書室で勉強していたからか、外はもうすっかり暗くなっていた。


「夜にもなるとそよ風が気持ちいいな」

「······そうね」

「なんか反応が薄いな」


さっきので完全に嫌われたか?

それはそれでまずいな。心に傷が入りそうだ


「····いや、そんなことじゃないわ」

「?」


じゃあどう違うのだろうか。声も妙にか細いし、

顔も伏せているから表情が伺えない。

乙女心を分かれということだろうか?


「あ、あのっ!」

「···どうしたの」

「あの、〜〜〜〜」


イヤなんだよ。わかんないよ!全聴力を駆使しても聞き取れないぞ!?

も、もどかしい。この雰囲気がムズムズする


「あのもうここまで十分だから!!」


急にターンして叫んできた橘さん。なんで顔赤くしてんだ?

「十分ってのは、この友達関係のことか?」

「へっ!?そ、それは違うわ!ここでもう解散ってことよ!」

「あ~そっちね」

「そうよ。友達はまだ続けてもいいわ」

「そうなんだ~。じゃあ、翼のことは?」

「翼くんのこと?」


急にここにはいない人のことについての質問だったからか怪訝そうな顔をされる。

そんなことはどうでもいい。俺の耳が壊死してなかったら橘さんは『翼くん』といった。

下の名前をこの短期間で勝ちとっていた‼

さすがは我が心の友だ!


「そうそ、どう思ってるの」

「どうって。と、ともだちよ!」

「ふ~ん」

「な、なによ!?」


友達か。まあ橘さんは友達皆無も皆無の壊滅的だったから友達ということだけでも進歩は大いにあるよな


「もうっ。話はもう終わり?」

「ああ、付き合ってくれてありがとな」

「ん、じゃあもう帰るわ」

「誰かに襲われないようにな〜」

「私はあなたに襲われないかビクビクしてるわ」


いらんジョークを挟んでくる。あまり舐めるなって、俺は紳士淑女も認める真摯な紳士だぞ?


帰り際に小走りで走っていく橘さんは少し口角が上がっていた。


そんなに翼の話ができて嬉しかったのだろうか?

翼も罪作りな男だな


「さて、俺も帰るか。」


今回の絡みも良い経過報告が橘さんの口から聞けたよ。いや~今日は快眠だな


「ところで、ここどこやねん‼」




ーーーーーーーーー



「はあはあ、見覚えのある扉があるぜっ」


やっとやっと着いた!汗がもう気ん持ち悪い!


「ふう~戻ってきたぜマイホ——」


——ガチャンゴチャン!!!!!


「すごい音がした。ま、まさか!」


泥棒?

怖いなー。今日にてご臨終するかもしれないです

覚悟を決める時間が必要かもしれない—


—ヨシ、行くか。忍び足でコソコソと泥棒の如くリビングに近づいた。

やがて、リビングのドアに来た。よし、一気に行くぞ


(サンデー、にんにく、胃腸崩し!!!)


バッとドアを開ける。

そこで視界に広がったのは—


「お、おねええちゃんーーー!!!!」


料理と仲良く転んでいる姉がいた









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