第16話


「ふぁ~、なんか夢見た気が。なんだったかな」


まあ、もう忘れた事だし、いいか。


制服に着替えて、それから朝ごはんを食べて

歯磨きしたりなんだりして家を出た。



「なんか面白いことでも起きないかな〜、ちょっとでもいいんだけどな」


最近学園でも印象がドンドン薄れていってきている気がする。まだ眠い


「ん、あの後ろ姿は翼か?」


暇だし呼んでみるか。小走りでいこう


「おーい、翼!」

「珍しいな見かけることあるなんて!」


なかなか酷いこと言ってないそれ?


「なんか見かけたから声かけただけなんだが?」

「スマンスマン」


はいはいそうですよ俺は影薄いですよ

それよりずっと聞きたかったことを聞きたいんだ


「ところで、お前友好関係とかそこんところ最近どうなのよ」

「····ああ、ちゃんとしてるよ」


歯切れの悪い返しが返ってくる。ホントに大丈夫なのか?


「平気だよ平気。男女偏りなく仲良くしてるよ」

「なら、大丈夫だな」


まあ、おれは友達という友達はいないんだけどな

べ、別に寂しくなんかないんだからね(泣)


「ヘイ翼」

「ハイ翼」

「あそこにいるの橘さんだよな?」

「ん、あーそんな感じするね?」


一人細々と登校している


「挨拶がてら、ちょっと行ってくるか」

「あー、分かった行ってきていいよ〜」

「ん?翼も行くんだぞ」

「え?」

「え?」


一度立ち止まって。そしてくる静寂。地獄絵図だな?


「よし、翼ゴー」

「えー、なんで俺が」

「これはしょうがないんだよ」

「何が?」


うん、しょうがない。だって君橘さんと全然関わらないんだもん。強制的に行きましょう


「こんにちはー、橘さん」

「(こんにちは〜〜)」


おい声が小さいぞ声が。もっとはっきり喋るんだ!


「あなたたち、なにしにきたの」


一瞥はしてくれたが、それだけ。


「いやー、ちょっと朝の挨拶したいなーって、

翼が」

「全然そんなことないんだけど!?」

「まあまあ、平たく言えば、学園まで一緒に行こうよってことだよ」

「なんで」


うーん、絶対零度。今夏になってきたのになぜか寒い。寒すぎる

しょうがない、奥義を使うか—

「橘さん一緒に登校してる人いないみたいだから。ぼっち?と思ってきちゃった」


テヘペロッみたいな顔をする。

自分でも過激すぎたかなとか思った。

おいおい、俺の屍は誰が拾うんだ


「別に一緒に登校してないだけで、学園にはいっぱい友達はいるわ」


ありゃ、反論してこない。なんか冷静だなと思っていると『だけど—』と橘さんが続ける


「—あなた達どうしてもっていうのなら、付き合ってもいいけど」


恥ずかしいのか明後日の方向を向いている。

少し頰を火照らせながら頑張っていったようだ?

これが氷?


「オーケー、つばさもいいよな?」

「まあ、いいけど」


乗り気じゃないな〜


「(おい翼、これはお前の深層心理を正すチャンスだぞ)」

「(深層心理?)」


そう、こいつさっきは友達できたとかいってるが、心の中ではまだ、彼ら彼女らを信頼しているわけではない。

まあ、そこは中学時代の闇〜な事情があるからそれはまた別のお話


「(とりま、いっぱい人と関われってことだよ)」

「(まあ分かった)」


一応理解してくれたらしい。あんまわかってなさそうだけど


「あの橘さんよろしくね」

「ん、わかったわ、よろしくね。

あなたはあの人とは違って関わりやすそうだわ」


あの人とは俺のことだろうか?

だとしたら嬉しい限りだ。


そこからかは会話は少しだけだった。

最長会話時間なんと二十秒。

まだまだ精進が必要だな。

でも、翼と話している間笑顔を橘さんが見せてくれたのは唯一の助けだった

いい感じじゃないのお二人さん。

今日の授業は笑顔で受けれそうだよ


その日の学園では


『姿勢正しく満面の笑みで寝ている人がいた』

という噂が学園中に広まった。それは悪魔に取り憑かれていたのだろう




ーーーーーーー



どうも、主人公名前事件を起こした張本人です


早速本題です。はい、



坂本 裕太くんに正式に決定しました。


いやもっと溜めろよとか思ってたりしてる人

スイマセン


なんかめんどくなりました


改めて主人公の名前は坂本裕太くんに決定しました

ご理解のほどよろしくお願いします




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